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【テニプリ】Marking

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(…もう、お前らとは金輪際、係わり合いになりたくねぇ…)
そう思いつつも、関係が切れないことを知っている。跡部は溜息を吐いて送迎デッキへと視線を向けた。リョーマを乗せた飛行機が大空へと離陸していく。

「…さてと。僕も行かなくちゃ」

カメラバックを担ぎ直した不二に跡部は視線を返した。
「…?、どこにだよ?」
「サンフランシスコ経由でフロリダ。越前の取材。…越前がいるなら便合わせたんだけどね」
「…不二、テメェ、どの面下げて越前に会う気だ?」
懲りた様子も堪えた感じもしない不二に半ば、呆れたように跡部は口を開いた。
「この面だけど?」
「………そーかよ」
流石は「魔王」と呼ばれる男。美少女めいた風貌のくせに不二は面の皮が果てしなく厚いに違いない。

搭乗アナウンスに晴れやかな笑顔を浮かべ、「またね!」と踵を返した不二を見送り、跡部はこの日一番の盛大な溜息を吐くと、コートの裾を翻した。










作品名:【テニプリ】Marking 作家名:冬故