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Million Kisses

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Million Kisses



「倒れた?誰が」
「総帥です…。」
聞かなくってもわかるだろうと目が言ってる。

「どうして?」
「寝不足だそうです。」
「寝不足?」

どうして気がつかなかったんですかとまた目で訴えられてる。
「えーっと…。」
だっておれの方が先に寝て起こされるんだから気がつくはずがない…。

「すみません…。」

おれが悪いのか?自己管理はどうした。イマイチ納得できないが病院に行くというナナイさんに任せて家で帰るのを待つことにした。

病院で怒鳴ったり殴ったりは出来ない。やるなら人目が気にならない家じゃないと。

いかんいかん…。つい先ほども病院に行くナナイさんに「たまには優しくして差し上げてください。」と言われたんだっけ…。

そんなにいじめっ子かなあ。殴りたくなるような事する奴の方が悪いと思うぞ。
溜息…。気分変えないと。

単純作業はあたまの切り替えに調度いい。叩きつけて良いものと言えばパンだな…。
帰りの車の中で今日は大事をとって入院すると言う連絡をもらった。

原因は聞かないとわからないが確かに家に帰って来ないほうが寝れるんじゃないかな。
おれもゆっくり寝れるし。

嫌でも薬でも何でも飲まされて熟睡するだろう。
ほっとくと飲まないから。おれも薬は嫌いだが面倒なやつ。

家に帰って材料分けてもらって部屋のキッチンでこねる。
一応心配しないようにと本人から電話があったようだが心なし非難されてるような…。
気のせいかな?

周りの人間が俺がここに居るのを許容してるのはシャアが望んだからだ。
レクレーションの一種だと思ってるのもいるようだ。
それが過労とか言うんじゃ睨みたくもなるか…。

おれの所為か?納得いかないぞ…。愚痴も言いたくなる…。余計疲れるから言わないけど。

せっせとこねて発酵させる。あたまも発酵しそう…。

大体最近は過労になるほどしてないぞ。寝てないのは別の理由だと思うけど。
いやー全然気がつかなかったなそんなに寝て無かったとは。おれといて安心できないんじゃ意味が無いんだけど。

そのまま軽い食事をして二次発酵分けてねかせて形を整える。暫く置いて他の用を片付けてかるく一杯引っ掛けて。

…焼くしかないよなあ。夜中にいい香りだ。焼き終わったら寝るか。
一つつまんで味見をして。割と良い味だと思う。明日朝教会によってもらって置いてこよう。焼き立てじゃないのが残念。

さて寝るかとエプロンをはずし電気を消して寝室に行こうとすると車の音がする。えーっと。
そのまま部屋を出てエントランスホールに向うと玄関に青い顔して立ってる。

こんなに青い顔してたのか?疲れてはいたけど…。胸を衝かれる。

「入院するんじゃなかったのか?」
コートを受け取って聞くと
「病院では眠れない。」

「また薬飲んでないんだな…。大人しく寝ればいいのに。」
「きみはまだ起きていたのか。」
「調度寝ようとしたところ。」

部屋に行って着替えてる間に服を片付ける。

「良い香りだな。」
「食べる?」夜中に物食べてはいけません。無理に口に詰め込む。おー食べてる。

「何か飲む?」うなずいてるのでミルクを温める。こっそり薬を入れて甘くして出す。

「眠れそうか?」
「多分…。」
「大体何時から寝てないんだ?全然気がつかなくて怒られたぞ。」

顔色ちゃんと見てなかったのはうかつだったな。それでも今朝はこんなに顔色悪くなかったはずだが。
じっと見てしまう。

「今朝はなんでもなさそうだったのに…何か悪いものでも食べたのか?」
「昼食を吐いた…。」
昼食の献立は目を通してたが重そうだったな。

「献立変えるべきだったか…。で何時から寝不足?」
「ここ一週間…。」気がつかなかった…。

「何で?」
「きみが気持ち良さそう寝ているのをみていると眠れない。」

「はい?」また訳のわからないことを…。
「じゃ起こせばよかったろう?」
「起こす元気が無い…。」はい?

「えーっと?」そりゃ寝起きは悪いけど…?苦笑して近づいてきたかと思ったら耳元で
「きみが寝ている間に悪戯しようとしたらできなかったと言うことだ。」と言われる。そういう意味かい。

「それは飽きたってこと?」
「そう言われるだろうと思った…。」
抱きしめられてそれが気になってよく眠れないとぶつぶつ言われても。

「単に疲れ過ぎだろ?別に無くてもかまわないけど…。」
「良くないぞ!」
まあ。男としてはそうだが。

「ほら。他の人相手だと大丈夫かもしれないし…。」
睨まれただけじゃなく手も出てきた。
「いた…い〜。」つねるな…。

「他の人だと?」
「あーごめん。だけどおれはあなたが必要だと言うからいるんだから。」

「必要じゃないと言ったら?すぐ出て行く気か?」
「うん。」急に体重かけてきた。

「嘘でも違うと言えないのか…。」
「あなたに嘘つく気は無いし。」
言いたくない事は言わないだけ。必要なら嘘もつくけど。そういう事態になりたくない。

頬に手を当てて目を見ながら
「嘘を言って欲しいのか?」と聞くと溜息ついて
「いや…。」
と言って力を込めてくる。

気が緩んだのかショックだったのか薬が効いてきたのかボーつとしてる。
腕ごと引くと大人しくついてくる。寝かしつけるチャンスだ。そのまま強引にベッドに押し込む。

ちょっと寂しそうにされると苛めてるのかなと思う。そんな気無いんだけど。
瞼にキスすると諦めて目を閉じそのまま寝付いた。

たたないといわれるより苛めてるといわれる方がこたえる。
優しくと言われてもなあ。

寝顔を見て眠れない気持ちがわかるような気がした。大分意味が違うか…。

枕元に椅子を持って来て座る。薬が効いてよく寝てるな。
さて…明日の予定は変えないといけないな。

このままばっくれて仕事しに行きたいのはやまやまだけど呼び戻されるか怒鳴り込まれるか…。
どちらにしてもはた迷惑。

朝になったら電話して一言連絡入れてついでにパンを持っていってもらおう。
少しは日持ちするように包んであるしもともと量はそんなに多くないけど自分では食べきれない。

帰ってくると思ってなかったから最初から教会に持っていっておやつにでもと思ってたんだけど…まさか全部食べるとは言わないだろうな。

少ししか入らないだろう。目覚ましたら怒るだろうから食べさせて落ちつかせた方が良いか…。
胃の具合はどうなのかな。スープに浸すか。

横になると熟睡してしまうので少し座ったまま休んで明るくなってきてからそっとシャワーを浴びに行く。
うーん眠い…。着替えてスープを作り出す。目が覚めたら何時でも食べれるように。

薬は少ししか入れてないけど何時目が覚めるかな…。
何なら夕方まで寝ててもらっても良いんだけど目が覚めた時に側にいないと不味いだろう。
スープを作り終えてからナナイさんに連絡を入れる。

早朝だの夜中だのろくな時に電話しないな。
当然病院から脱走同然に帰ってきたのを聞いているので6時過ぎて電話したら待構えていたようにでる。
「おはようございます!」

思わず耳から離してしまう…痛い…。
「おはようございます…。あのー寝てます?」
作品名:Million Kisses 作家名:ぼの