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食べるココア
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novelistID. 8719
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めらんこりっくだとかなんだとか

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どうやらそのまま眠ってしまったらしく、目覚めたら土下座が崩れたような格好で床の上に転がっていた。
出社してきた浪江は折原の顔をみるといつもの嫌味を潜め、本気で病気を疑われるという二重の屈辱にみまわれたがそんなことは些末なことにすぎない。
折原にしては珍しく着替えもせずに元凶である人物が存在する池袋に足を向けた。

だがその日は中々目当てのバーテン服を見つけることもできず、もしや『あれ』が『今の平和島』だったのではないかと絶望に似た気持ちを感じはじめたその時、猛烈な勢いで「何か」が折原の横をすり抜けていった。
見るとそれは工事用の看板らしく、『ご迷惑をおかけいたします』とヘルメットを被った作業着の男性が謝罪をしながら壁に突き立っている。
「い~ざ~や~く~ん」
振りむくとそこにはいつものバーテン服を着た喧嘩人形が立っていつも通りの台詞を口にした。
「池袋には来るなって、何度も何度も何度も何度もいったよなぁ?あれか?手前は鳥か?三歩歩けば忘れるのか?」
聞きなれた嫌味に腹が立つよりも強烈な安堵感を覚えた。
(ああ…)
「悪いね、人外の言葉は中々に難しくてこの俺をもってしても覚えきれないんだよ。」
ナイフを取りだし挑発するようにちらつかせると平和島の顔に浮かぶ青筋がさらに盛り上がった。
「…っ!臨也、待ちやがれ!!」
今日も始まる壮絶なころしあい。
どちらかが歩み寄ればこの関係は終わってしまう。
(終わってしまえば俺たちは、いや俺はーー)


(どうか、彼が化け物でいつづけますように)