気のせい
俺の名前は小鳥遊宗太。
小っちゃくてカワイイ種島先輩に誘われて、ワグナリアというファミレスでバイト中。
いろんな変わった人たちがいて、最初は驚いたけど、もう慣れた。
俺のことを変態だと言う人も中にはいるが、そんなことはない。
俺が一番まともだ!
さーて、今日もバイトバイトっと…、あれ?
キッチンで轟さんと佐藤さんが何か話してる。
さては、ま〜た店長のノロケ話を佐藤さんに話してるな。
あーあ、佐藤さん可哀相。
佐藤さん、轟さんのことが好きなのに。
気付いてないのって、轟さんと店長くらいだよなぁ。
まったく…、轟さんも、佐藤さんの話聞いてる態度で分かりそうなもんなのに。
あきらかに苛ついてるし………って、あれ?
今日はそんなに苛ついてないかも…?
なんか、微笑ましいものでも見るような目つきだ。
あ〜あ、ったくしょうがねぇなコイツは。…みたいな。
確かにいつも、轟さんの笑顔に見惚れている感じだけど…。
兄が妹を見るがごとく。
親が子の成長を見守るがごとく。
…なんだろう、すっごい違和感だ。
今までと違う。
何かが違う。
「轟さ〜ん、店長が探してたよ?」
あ、相馬さんだ。
「!! 本当?じゃあ、私行くわね!」
轟さん、嬉しそう…。
そうだ、相馬さんなら何か知ってるかも!
「相馬さー………!!」