ペーパー再録_5
僅かな間、閉ざしていた目をゆっくりと開けた。
途端、目を灼く白い光。
暴力的なまでに強い光はまるで物理的な圧力を持つかのようで。ただそこにあるだけで圧迫感さえ与えてくる。
陽炎に揺らぐ街を遠くに見つめ、彼はふと何かを思い出すように目を細めた。
・・・かつてのことを思い出す。
この白を見てはいられずに、汗と砂とにまみれた軍服を被り、ただじっと空を眺めていた。
血のにおい、硝煙のにおい、そして何より強く残るのは、焔の。
すべてを焼き尽くす焔の残り香をまとい、ただ一人。
果てのない砂の大地に立ち昇る黒煙すらかき消すことの敵わなかった日の光が、目を逸らすことも許さず、容赦なく、すべてをさらけ出させる様を。
見届けろとばかりに突きつける。
白日の下へ。
逸らすな。
これは、お前の――――。