殺したいぐらい
再び名前を呼びこいつの唇と俺のを重ねた。こいつは驚きから眼、見開いてるが。普通こういうときは瞑るもんじゃねぇのか?俺も人のことは言えないが。丁度いい具合にこいつの口開いてやがるからそこから舌を差し込む。
「ふ、かぃ・・・ょ・・・」
必死に逃げようとする舌をおって舌を絡める。
「や、め・・・かい、ちょ・・・う!」
「誰がやめるか」
そうだ。俺はやめる気など毛頭無い。
「かぃ・・・あー・・・さぁ!!」
慌てて舌を引っ込める。まさか、こいつが名前を呼ぶなんて・・・。
「は、てめぇ・・・何しやがるんだ・・・よ!それに何怒ってんだ」
「・・・好きなやつを傷ものにされて怒らないわけが無いだろう」
「ふぁ?!」
瞬く間に顔が赤くなっていくこいつ。面白いと思う。
「す、すすすすす好きって・・・!!」
「お前が好きだ、ギルベルト」
「な、ななな・・・!」
「それにお前、さっき俺のこと名前で呼んだよな」
「ふぁああああ!!!」
いまだに俺が掴んでいる腕を振り払おうとするが俺はこいつを返す気なんて無いからな。少し強めに掴んでいる手に力を加えた。
「お前はどうなんだよ、ギル」
親しみを込めて、お前の愛称で呼んでやると諦めたのか逃げようとはしなくなった。
「・・・アーサー」
僅かに涙で潤んだ赤紫色の瞳で俺を確りと見て名前を呼んだこいつは、俺がしたようにネクタイを引き俺の耳元で呟きやがった。
「は、上等だ」
眼を合わせ、今度は互いに唇が重なった。
多分俺は、今凄く満足そうな顔してんだろうな。漸く手にした俺のモノ。
「・・・殺したいぐらい好きだ、アーサー」
「さて、病院行くぞ。ギル」
「・・・行かないと駄目か?」
「当たり前だろ」
「・・・・・・」