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加賀屋 藍(※撤退予定)
加賀屋 藍(※撤退予定)
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Noli me tangere

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「どういうつもりですか?」
「お前こそどういうつもりだよ!?」
いきなり部屋の扉が思い切り開いたと思ったら、俺は三叉槍を胸に突き付けられた状態で、明らかに苛立った骸に問い詰められていた。
その姿は水牢に囚われている彼のために、表の媒体をしているクロームではない。
彼とクロームの力を基にして、精神だけでなくその姿ごと表へ出てきた正真正銘の骸だった。
そこまでしても直接俺に聞きたいということかもしれないが……前置きも何もなく、どうしたもこうしたもないだろう!
現在、数え切れないほど瀕している生命の危機の一回にある俺だが、ふざけるなとばかりに声をあげた。
「……少しは動じてみせては如何ですか?本気で突き立てたくなります」
「誰がこの状況に慣れさせたんだよ!」
骸の雑じり気のない殺意に当てられていたが今更怯むこともない。
ああ本当、オレだって慣れたくなどなかったよ!
だが、本当に苛立っている様子の骸には関係ないらしい。優美な顔に残酷な笑みを浮かべて、三叉槍に力を加えている。
ギリギリの理性なのか、スーツを破り、綱吉の皮膚を傷つける、ほんの少し手前まで。
……それでも痛いんですけど!
「人の安眠を掻き乱しておいて、素知らぬ振りですか。いい度胸です、ボンゴレ」
「安眠?最近はお前に仕事を頼んでないだろ?」
「無自覚とは更に性質が悪い……」
「……この~~っ!だから、何の話なんだよ!」
実際、骸と顔を合わせるのも久々だ。最近はクロームの善意に甘えて雑用の手伝いを頼んだことがあっただけで、骸の手を借りる事態は起きていなかった。
そういう意味で聞いたのだが、骸は馬鹿なものを見る、うんざりとした目をした。
これだから馬鹿なマフィアは…という幻聴を聞く。
「だから、君が寝ているときに僕の眠りに介入してくるのを即刻止めてください、と言っているんです」
「はぁ!?介入?俺が?」
「君以外の誰でもないですよ!しかも無理矢理!一体何のつもりかと問いただしたくもなります!」
言葉の勢いで骸の手に力が入る。
「お、お前、刺さるって!問いただす前に殺しかけてるよな!?」
「解答如何によっては同じ結果ですが?」
「冷静に言うな!つぅか、どういうことなのかしっかり説明しろよ!」
そんな言い方でわかるかと言うのだが、骸は面倒な説明を省きたいようで、綱吉にまくし立てる。
「ともかく!一切、僕に介入してこないで下さいと言ってるんです!大体、そんな暇があるのなら、夢の中でその溜まりに溜まった仕事でも片付けたらどうですか!」
「俺の就業時間を知ってて言うか!?
4時間の睡眠時間まで仕事してたら本気で24時間労働に近……」
ビュッ!
骸は綱吉が全てを言う前に、突き付けていた三叉槍を閃かせた。
「ツッ?!」
横へ薙いだことによって起こった風が、首を撫でていった。
冷たい質量を錯覚したくらいの超至近距離から。
(これはホントに殺られるっ!?)

「『はい』以外の答えを僕は用意してません。……いいですね?」
「………はい」
喉元に翳された槍の前に、綱吉は頷くことすらできず、結局わけのわからないまま良い返事をしたのだった。