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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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【完全読み切り】責

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 彼は私を半ば強引にひきはがすと、そのまま洞窟に向かう。さっきグリーンが来た方だ。
 「どこへいくつもりだ」
 「グリーン…、お前にも言っておかなきゃいけないことがある」
 「なんだよ」
 「俺は…もう死んだのだと思ってくれ」
 「…はぁ?」
 「俺はもう、この世にいないんだって、思ってくれ」
 「何を言いやがる」
 「俺は…お前にも迷惑をかけすぎた。自立してないのに、お前と同列に並んで…お前のプライドまで傷つけた」
 「…何でまかせ言ってんだよ」

 「…俺は…もうお前らとかかわるつもりはない」

 「!おい!!待ちやがれ!」
 グリーンが息を荒げて奮えながら叫ぶ。
 
 「お前が、いて、それだけで迷惑がかかるんなら…この世界はもうとっくに崩壊してるんだよ!!!」
 
 しかしレッドは…もう何にも返事をしなかった。追いかけるグリーンを、とっさに繰り出したポケモンたちが防ぐ。もうズタボロになっていたグリーンは、対抗できなかった。

 「レッド!」
 私はポケモンを繰り出して応戦する。…しかし今のレッドには敵わない。強さだけは強くなっているんだ。それも格段に。グリーンと対等な、しかも現状では疲れていない私のポケモンを、一撃でいなしてしまった。

 「イエロー」
 レッドは一言だけ言った。
 「俺よりいい男は、この世にわんさかいると思うぜ」

 #

 「どうやら他のやつらも行っちまったようだな」
 グリーンは起きながら言う。

 「あいつ…言っていることと実際が食い違いすぎだろ」
 「うん…」
 「あいつのポケモン、見たよな?」

 そう、そこには、あのバンダナがあった。
 
 レッドのポケモンは、みなあのバンダナをつけていた。

 「本当は…本当は…違うんでしょ?もし本当に言っている通りなら…なんで私の眼を見て言えないの?」