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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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【完全読み切り】責

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 シロガネ山の頂点にいるのは、ここなら普通のやつは来ないからだ。
 
 #

 埒が明かない。好い加減こいつも口を開いたらどうなんだ。俺はただただ目の前のライバル…の姿をした木偶の棒を見て思う。

 …イエローが泣いている。お前これを見ても何も言えないのか?
 「お前なあ…そうやって黙って何が楽しいんだよ!!」
 「…」
 「…ずっとそうやってたいならそうしろよ」
 「…」
 「俺の…どこに不満なんだよ」
 「…!!」
 レッドがなんやら反応した。やっぱり俺に問題があるんじゃないか。だったら言ってくれよ。俺はお前のライバルである以前に親友だっただろうが。

 「…お前が悪いわけじゃない」

 …なんだと…俺じゃないだと?ふざけるな…俺以外のやつに絶望するということがあるのかよ…?
 少なくともここで泣いてるこいつでないことは確かだろうに。しかも、今の発言だとイエローが激しくなるだろ。
 見ればやっぱり、というべきか。
 「…ううっ…ふうっ…ひぐぅ…」
 おいおい、レッドお前そんなキャラだったかよ。昔からお前は女が苦手で飲まれるくらいだったのに。今じゃ泣かせて泣かせて泣かせまくると。いや、お前じゃないだろ?お前はそんなことするやつじゃないと信じてるぜ。

 「そして、イエローのせいでもない」

 …は?

 #

 どういうことなのレッド。そりゃあグリーンは悪くないけれど、私には落ち度がいろいろあったでしょ。
 私は、思わずレッドに詰め寄っていた。
 なにもかも、昔のまんま。かすかな旅のにおいも、このぬくもりも、この姿もみんな何でもかんでも昔のまま。
 違うのは眼。あのころは燃えてたじゃない。今はもはや死んでしまったような眼。なにもかも、絶望したような。

 「それは何の気遣いなの…?」
 「…別に、正直に言っているだけだ」
 「嘘でしょう!?私はずっとあんなにあなたに…」
 「そう思わせること、なんだよ」
 「…?」

 「俺が一人前じゃないから人に罪悪感を抱かせる、それが嫌なんだよ」
 「…!」
 私も、そしておそらくグリーンも、思考停止した。

 「な、何を言い出すの急に」
 「だってそうだろ?俺は今まで人に絶望しか与えてない。俺が悪いのに、俺が原因なのに…みんな俺のせいなのにさぁ…」