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アフタスクール・ウォーズ

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 お前に出来るなら俺にも出来るね。と笑っている顔のムカつくことと言ったら。殴りつけてやりたくなったが、ここはとにかく状況を訊きたかった。
「で?」
「今は深夜4時。坊ちゃんは12時間寝てらっしゃいました。」
「うわっ…ありえねぇ。間に合ったのか?」
「恙無く。まあ、ギリギリだったけど。」
 俺はホッと息をついた。それが聞ければ、とりあえず安心だった。生徒会長のために文化祭の進行に支障が出たなど、笑い話にもならない。
「あとは当日だけか…。」
「あのさあ、イギリス。」
「なんだよ、さっきから煩ぇな。」
「仕事やっておいた俺をその扱い?もうちょっと優しく」
「だから」
「嫌いな人間に渡す優しさはないんでしょ。もう聞きました。」
「で?何だよ。」
 再び脱線しかけた話を元に戻す。さっきからこいつが何を言おうとしているのか、興味があった。
「もう少し、こっちに任せてくれてもいいんだぜ?」
「………何を。」
「何でも。お前は1人でやろうとし過ぎ。」
「……………。」
 今回、1人で片付けようとして倒れた俺に反論出来る言葉はない。黙り込んだ俺に、フランスが仕方ないなあ、と笑った。
 悔しいのだが。こういう時のフランスの顔は、嫌いじゃない。
「頼まれればちゃんとやるし。」
「本当に?サボらないだろうな。」
「やりますやりますって。愛しのイギリスのためですもの。」
「気色悪いこと言ってんじゃねぇよ髭。」
 悪口を言ってはみたけれど。多分、顔は笑っていると思う。
 嫌いだって?嘘だろ、俺。
「フランス、」
「なに、坊ちゃん。」
「ありがとう、なんて、言わないからな。」
「はいはい。」
 どこまでも素直じゃない俺に付き合ってくれるのは、こいつくらいのものだろう。
 深夜。たった2人のアフタースクール。