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【腐向け】しょんぼりするおっさんと菊さんのほのぼの【土日】

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「最初はアルフレッドさんがいきなり来たんです。アルフレッドさんがいきなり来るっていうのはいつものことなんですけど、そうこうしているうちにアーサーさんが借りていた本を返しにって。重なるときは重なるもので、その後は王さん。なぜだか三人してケンカとかしちゃって。そしたらサディクさんまで……私、今日の5時までに仕上げなくちゃいけないものがあったのですごく焦っちゃって……実にすみません」
「いや、俺も早く来すぎちまったから。ちゃぁんと連絡すりゃよかったんでぃ。すまんかった」
「いえ!違うんです。嬉しかったですよ。サディクさん来てくれて……作業頑張って終わらせようって思いましたもん」
そう言う菊に「よせやい」と言ってサディクは照れ隠しにタバコを咥えた。
「本当ですから……でも、本当はちょっと残念なところもあって…ちゃんとお出迎えしたかった……か…ら……」
途切れ途切れの台詞に隣を見やると「ぽてり」と肩に重みを感じる。
自分の肩に頭を預けて寝息を立て始めた菊にサディクはタバコを咥えたまま目尻を下げた。
それからゆっくりと壊れ物をあつかうように菊の頭を自分の膝へと移動させて、膝枕に態勢を変えてやる。
「おつかれさん」
膝の重みにそう呟いて、タバコの灰を灰皿に落とすともう一度タバコを咥える。
ジジッと火が移る音が響くと夏の風がサディクの頬を掠めていった。