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【6月27日シティ】P.Kの墓標【イザシズ】

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 頭に浮かんだ5文字をぼんやりと噛みしめながら、臨也はゆっくりと静雄に近づいた。何と声をかけようかと迷っている間に、静雄はゆっくりと瞼を上げて臨也を視界にとらえたようだ。
「ンだよ、手前か」
 かけられた声は弱弱しく、掠れていた。呼吸をする度に胸が荒く上下している。
「何してるんだよこんなところで。雨の中でうずくまってるなんて、まるで捨てられた子犬みたいだよ。まさかその辺のチンピラにボコられたってんじゃないだろうね。いつものシズちゃんは何処へ行っちゃったんだい?いつもの、非常識な暴力を振りかざすシズちゃんはさぁ」
 口だけはやたらに滑らかに回ったが、臨也の頭の中は混乱したままだ。上手く笑えているかすらよく解らない。
 それほどに目の前の静雄は、臨也の中にあるどんな静雄のイメージとも繋がらなかった。彼のデータの中に、こんな静雄は存在していない。