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涼宮ハルヒの戦国バサラ2

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俺は今、鎧を来た兵士たちに囲まれている。

「キョン、何ちんたらしてんの。置いてくわよ。」

「はう〜ちかよらないでください〜」

「ポイント、103-5問題なし。発射」

「命が惜しかったらどいて下し、容赦しませんので。」

ハルヒの罵声が飛び交い矢だの、刀だの、否応なく襲ってくる。
さすがに命の危険があるだけ、俺も必死で槍を振るいハルヒの後に続く。春先に朝倉涼子に殺されそうになったのとあまり変わらない状況ではあるが、こちらが完全にこちらが逼迫している。
ただ違うのは、それがSOS団全員に降りかかっていることだ。



話は数日前に遡る。
俺はやっとの想いでPS2ゲーム、戦国BASARA2をクリアーした。思えば長かった。途中妹にデーターを上書きされ、シャミセンにPS2のリセットボタンを押されようやくクリアーにまでたどり着いたのだ。
もうすぐクリアーと言う興奮があったのだろう、気が付けばいつもより寝る時間が二時間ほど遅くなっていたことに気が付いた。
そして次の日、案の定パン一枚咥えて家を出る始末だ。

「遅い何やってたのよ。」

遅刻は間逃れたものの毎朝の日課になった、ハルヒとの会話が、その日はほとんどなかったがためか、それとも自分が知らない面白いことに俺が遭遇したのでは、ないかという疑いなのか、後ろの座席から睨まれ続けた。
その休み時間中ハルヒはあいも変わらず教室にいないため、授業が終わると掃除当番を国木田に押し付け、そんな細腕に何でこんな力があるのか、不思議で仕方ないが俺を引きずって元文芸部部室、訂正、SOS団不法占拠中の部室に連行された。

「おや、同伴出勤ですか。うらやましいですね。」

いったいどうすればそう見えるのか、古泉に聞きたいところだが、面倒なのでやめておこう。毎度わけのわからん理屈で、煙に巻かれるのがわかってるからな。
ちなみに、その日に限っていえばSOS団メンバーがすでに勢ぞろいしており、俺はナース姿の朝比奈さんの出してくれるお茶をすすりながら、説明することにした。

「で、どうして今日に限って、遅刻ぎりだったわけ?」

ハルヒは、いつものふんぞり返っている団長机ではなく、まるで取り締まり室の刑事よろしく俺の、前の机に陣取り睨みつけた。

「べつに、これって理由はない。」

「じゃどうして、最近SOS団活動終了時にそそくさと帰ってしまうのかしら。」

ま、最近家へに帰ってゲームをやるという日課が増えたからな、結果速く帰っていたことは事実だ。最近ゲームにはまっていて、昨日ようやくクリアーできた。ちなみに今日遅れたのは、夜ようやくクリアーまじかまでいって、寝る時間を削ってクリアーしたからなんだ。

「へえ、そんなおもしろいゲームなのですか?」

朝比奈さんが、お茶を注ぎながら、興味本位で聞いてきた。やっていたゲームの種類がアクションだけに、ハッキリ言って朝比奈さんには絶対無理だと思います。そもそも、ゲーム全般難しいと思いますよ。

「へ〜そんなに面白いゲームなの?」

今度は、ハルヒが興味を示したようだ。こいつが、興味を持つとろくなことがない。いつも面倒ごとに巻き込まれてしまう。
しかし、ここまで話してしまった以上、あとには引けない。

「前に谷口に薦められてな、一応話のネタにやってみたのだが、結構はまってしまって結局こうなってしまったのだ。」

 嘘は言っていない。事実一ケ月間、それを購入しプレイに費やしてしまったのだからな。

「なんだったら、ここでやればよかったのに。」

 いくら、ここが校則の及ばないところだろうが、学校でPS2をやるつもりもはない。
 ただでさえ、学校側からすればおもしろくない、意味不明な非研究会にして、部室の無断占拠や、バニー衣装での校内闊歩、同衣装での意味不明なチラシ配り、コンピュータ研を恐喝、同研究会よりパソコン強奪等、無許可での映画と呼べるか呼べないかの、分けの判らない動画の文化祭での制作、発表なんて罪状がある組織だ。
 そのSOS団に、ゲーム機校内持込なんて、罪状は、痛くはないだろうが俺の個人所有物なので、没収なんてのはいやだからな。

「そんなに、難しいなら有希にききながらでもよかったじゃない。」

 確かに長門に頼めばそりゃ簡単に教えてくれるだろうさ。半日も掛からず、プログラム全て解析して、隠しアイテムだって見付けてくれるだろうさ。

「おいおい、ゲームってのは、自分で楽しみながらやって意味があるもんだ。それに長門だってゲーム内容知らなきゃ答えようないだろ。」

「それもそうね。」

 どうやら、納得してくれたようだ。

「じゃキョン、そのゲームがどれだけ面白いからわからないから、明日持ってきなさい。」

 妹が先客にいるのだが、ハルヒの決定が覆らないことは、重々承知しているので、おれは、しぶしぶ同意した。
 そして今日は、鼻歌交じりでハルヒは、朝比奈さんの髪をいじって遊んでいた。
 俺はというと、今日は、ガンダムのカードゲームで古泉から挑戦を受けていた。



 時間になり朝比奈さんの着替えもあるので俺は、古泉と一緒に部室を出た。

「いや、今日は助かりましたよ。」

 そういえば、いつも俺より遅れてきている古泉が俺より速く来ていることは、自分の能力説明のとき以来であまりなかったか。

「なにが、助かったって?」

「閉鎖空間ですよ。」

「あれがまた出たのか?」

 思い出したくもない春の過ちが頭をよぎる。

「いえ、出ていませんが、大きな物ができる予兆を朝から感じていました。」

「本当か?」

「はい。恐らく、長門さん、朝比奈さんも同様だったと思います。皆さんが部室に速く来たのはそのためだと思いますよ。」

 知らぬは、俺とハルヒだけか。また二人で、灰色の空間に閉じ込められにゃならんのか?

「ええ、でも安心して下さっても結構ですよ。もうその感じは、消え去ったようですから。」

「本当か?」

「はい。どうやら涼宮さんは、このところのあなたの態度に、少々苛立っていたようですね。」

 なんで俺が速く帰るだけで怒るのか、まったく不可解だね。

「いつもならその時点ですぐ閉鎖空間を作り、神人を暴れさせているのですが、今回に限って言えば、今日までまったく音沙汰がなかったのが不思議です。」

「ハルヒが成長したとでも?」

「その可能性もありますが、断定はできません。」
 
 まったく迷惑な話だ。

「本当に迷惑しているのは、僕ら肩透かしをくらった、機関のメンバーなのですが、これはおいておきましょう。これで、バイトに行かなくてもよくなったのですから逆に感謝しています。」

 古泉の話が終わった頃、ハルヒ、長門、朝比奈さんが、部室から出てきた。
 おれは、久しぶりにSOS団メンバーと一緒に下校することにした。

 今思えば、ゲームの話をするんじゃなかった、と後悔するのだが後の祭りだ。なにぶん、ハルヒの異常さは、古泉曰く「神様」なのだから。凡人たるものが、敵う筈がなかった。
 次の日、朝のHRの時間で妹から優先権を主張されながらも、所有権で対抗し俺の戦国BASARA2をハルヒに渡した。