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　そうして二人はどちらからともなく抱き合ってわんわん声を上げながら笑い、泣いた。
　涙は混ざり合い、お互いの中に溶け合って減った分だけ補充するかのよう満たしていく。
　寂しがり屋の子供も大人ももういない。ここにいるのはうつくしい幸福を知るごくごく普通のやさしい国たちだけなのだ。

　一等星が遠い空の上ゆっくりと瞬いている。それは今日も明日も一年後も百年後もずっとずっとうつくしく、眩いのだろう。