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加賀屋 藍(※撤退予定)
加賀屋 藍(※撤退予定)
novelistID. 3743
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偲ぶ銀の

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「エクスペクト・パトローナム、守護霊(パトローナス)よ、来たれ…!」
最後に会ってからは12年、苦境を経てすっかり変わったはずのシリウスの声が、ホグワーツにいた頃の記憶と重なる。
あの頃、会得するまで必死に唱えたこの呪文のせいだろう。
一介の学生が会得するには、とても難易度が高い呪文、「守護霊召喚(エクスペクト・パトローナム)」。
ディメンターから身を守るためには必須のこの呪文を我が物にするために、当時の僕らは必死だったものだ。

けれどあの頃とはもう、決定的に違うことがある。

あの頃、「僕ら」は四人だった。
それが今は、たった二人だけだ。

あとの二人はもう、永遠に共に在ることはない。
仲間だと思っていたものの手によって、その絆は永久に失われてしまったからだ。


もう二度と、取り戻すことはできないあの時間。
今は手に届かない、穏やかな日々に倦んで、騒ぎに駆け回っていたあの頃。

あのとき僕らは、その後で失うことになる全てを、まだその手に持っていた。
その時にしか持ち得なかった、大切なものを。




◆偲ぶ銀の◆
作品名:偲ぶ銀の 作家名:加賀屋 藍(※撤退予定)