女々しくて寂しくて
おまけ
ダンテが階段を駆け上がるのを見送りつつ、俺は溜め息をついた。
ここ一週間様子が変だと思ったらそういうことかよ。
「いい加減おっさんも気づけよな、あんな顔して人のこと見といて置いてけるわけないだろ」
最初にフォルトゥナに行くことを伝えた時、ダンテはひどく寂しそうな顔をした。
本人はバレてないと思っているようだが、普段一緒にいる俺にはバレバレだっての。
だから本当は一人で行こうと思っていたのを即変更して、おっさんも連れてくことにしたってのに。
「話を聞いてなかったってどういうことだっての」
それにさっきも寂しいくせに遠慮なんてしようとしするから、急いでもないのに思わずバスターで脅しちまった。
まあおっさんらしいけどな、とは思うも少しむかつくのでさらに急かしてやる。
「おっさ~ん!まだか~?」
「ちょっと待て!あと少しだ!」
ドタバタと焦る物音を聞きながら、俺はおっさんが来るのを笑いながら待っていた。