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うわばみ

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う    わ    ば    み



 報告書を提出しようと少佐のオフィスのドアをノックした。「入れ」という声が聞こえたのでドアを開けたらむわっと漂うアルコール臭。部屋は床にビールの缶が山ほど積みあがっていた。誇張なしで山ほど、だ。床が見えない。
 呆気にとられてたらブッカー少佐は「どうした桂城少尉」とかすっとぼけた声を上げている。どうしたじゃない、少佐が今日のフライトの報告書今日中に提出しろっていったんじゃないか。というかあと5分で終了とはいえまだ勤務時間じゃないのか?何考えてるんだこの上司。少佐の隣には深井中尉が焼酎をマグカップに注いでいる。いやいや、待て。水で割らないのか?その焼酎?そのまま飲む気なのか?ああ飲んだ、ストレートで焼酎飲んだ。飲み干したかと思ったらまたマグカップに焼酎を注ぐ。アル中か。あんた。
 おれは気を取り直して「今日のフライトの報告書が完成したのですが」というと「ご苦労、そこ置いといてくれ」と少佐はデスクを指差した。デスクを見るとまた山ほどビールの空缶やらピザやらポテトチップスやらチキンやら…どこに置けって?――とりあえずビールの缶をデスクの下にあったビニール袋に捨てて、空いたスペースに書類を置いた。「ああ悪いな桂城少尉」と少佐。悪いと思うなら最初からゴミ袋に捨てたらどうなんだ。とっとと出て行こうと思ったら少佐が「桂城少尉も一緒にどうだ?どうせ明日非番だろう」とか言う。「自分はアルコールはあまり…」と答えると「まぁいいから座れよ上官命令だ」と無理矢理いすに座らされた。逆らったら抗命罪だ少尉――と年を押された。逃げ場なしだクソ。帰って早く寝たかったのに。
 少佐はコーヒーソーサーの下にある備え付けの小さな冷蔵庫を開けた。冷蔵庫の中身がちらっと見えたがほとんどビール。いやほとんどじゃなくて100%ビール。確か小さい頃みたロボットアニメにあんなシーンあったな。いや、オフィスにビール溜め込むな。
 少佐がビールをおれに投げて寄こす。「ありがとうございます」とおれ。本当は全然ありがたくない、早く帰してくれ。とりあえずビールのプルタブを開けて飲む。鼻のから小麦のにおいが抜ける。苦い。のどが熱い。つまみを進められたのでとりあえずチキンを取って食べる。チキンはうまかった。
 しばらくジャムやこの戦争についてを少佐と中尉の3人で話した。
作品名:うわばみ 作家名:川崎浩史