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Hug me, love me.

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「───そろそろ寝ないと、ホントにまずいかもね」
不意に思い立ち、サイドランプの傍に置かれた懐中時計を引き寄せたアルフォンスが、時刻を見てうわあと小さく声を上げる。
普段起き出す時刻まで、もう片手ほどの時間しかない。
「兄さん、湯船にお湯、張ってこようか?」
「あー…いや、シャワーで良いよ」
「ん、じゃあシャワーだけ浴びて寝よっか」
エドワードごと体を起こすと、アルフォンスは手早く兄の髪を梳いてまとめ上げる。







「ねえ、一つお願い」
「なんだ?」
「明日の夜は、ボクがあなたの部屋に行ってもいい?」
「いいけど、できねぇぞ?」
「解ってるよ。さっき約束したばかりじゃない」
まっすぐ見上げてくるエドワードの頬を両手で包んで、額を合わせる。
「そうじゃなくて、ただ一緒に眠りたいんだ」
抱き合うための誘い文句ではなく、単純に兄の傍で眠りたいという、それだけのこと。
「ね、いい?」
至近距離で瞳をのぞき込めば、自分が兄の黄金色にくるまれているような気持ちになる。
「───もちろん」






ありがとう、と囁いて。
アルフォンスはエドワードの唇に、啄むようにキスを落とした。




作品名:Hug me, love me. 作家名:新澤やひろ