うさみみ1
親指立ててグッジョブ!!と叫びたいくらいだ。勿論、つけているのがユーリだからだ。もし他の男がつけていたとしたら眉を顰めるが。
自慢ではないが、ユーリの事に関してなら、僕は誰にも負けない。何を着ていても、何を付けていても愛せる自信がある。
思わず彼をじっくり見ていて、鼻から血が出そうになってしまった。所謂鼻血だ。いやそんな事はどうでもいい。
というか、そんなしなくてもいい補足をしてしまうくらい僕は今、動揺している。
「…お前、吐き気起こすとか失礼な奴だな…」
僕の態度に勘違いしたのか、むっと眉を顰めて、ユーリが言う。そんな表情すらも愛らしい。
思わずユーリに向き直って両肩をがしっと掴んだ。
「何言ってるんだ! とても良く似合っているよ!!」
「…いや、似合ってても嬉しくねーし…」
力いっぱい言うフレンの眼に迷いは微塵も感じられない。
そんなフレンに呆れと少しの恐怖を感じつつ、ユーリは自身の情けない姿を思って溜息を吐きたい気持ちになった。
そんなユーリは次の瞬間、目の前の端正な顔立ちとは縁遠いものが鼻の穴から伝ってぎょっとした。
「お、おいフレン! 鼻血が…!」
「え? あ、ああごめん…君が可愛かったからつい…」
ユーリのその言葉で、先ほど興奮して我慢した鼻血が結局でてしまった。
備え付けてあるティッシュを一枚とると、血を拭いて、鼻穴に詰めた。
甘いマスクが台無しであるが、当の本人であるフレンは全く気にしない。
ユーリはそんなフレンに呆れたような眼差しを送った。
暫くしてフレンが鼻に詰めたティッシュをとった。もう血は止まったのだろう。
備え付けてあるゴミ箱にそれを捨てると、フレンは口を開いた。
「ねえユーリ、知ってる?」
「ん?」
「兎って、絶倫なんだって」
「…だから何だよ」
「…試してみない?」
「はぁ?」
そう言ってフレンはユーリに口付けた。何が起こったのかわからないユーリは、驚いて目を見開いている。
その隙に薄く開いた唇の奥へぬるりと舌をと侵入させると、ユーリの舌と絡めようと舌を器用に伸ばすが、我に返ったユーリが舌を引っ込める。
けれどそれは無駄な抵抗にしかすぎず、あっさりとフレンのそれに絡めとられた。
くちゃりとした粘液が混じった水音をさせながら、唾液と唾液を交換する音が響く。