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テクニシャンな彼

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「───ねえ兄さん、明日はお休み?」
「…っ、」
するりと肩に腕が回されて、エドワードの手がぴくりと震えて止まる。
「違った?さっき、ホークアイ少佐が教えてくれたんだけど」
「…連休」
「ん?」
「ここんとこ、連続で出勤してたし…とりあえず、2連休もぎ取った」
「そっか。じゃあ、一緒にゆっくりできるね」
もそもそと呟いた兄のこめかみの辺りに、アルフォンスは軽く唇を押し当てる。
「久しぶりだし、どこかに出掛けてみる?」
「あー…それも、良いんだけどな」
「けど?」
首を傾げたアルフォンスに、エドワードはおう、と頷いて。
「久々だから、まったりだらだら過ごしたいなぁって」
「まったりだらだら、ねぇ」
「そう。最近忙しくて、ろくにスキンシップも図れなかっただろ」
「うん、確かにね」
エドワードはカップをテーブルの上のソーサーに戻し、アルフォンスの頬を自分の方へ引き寄せるように両手で包んだ。
視線を合わせると、兄の黄金色の瞳は心なしか潤んでいるようにも見えて。
「だからさ…いい加減、アルが足りなくてうずうずしてきてんの、オレ」
エドワードは少しだけ躊躇いながら、それでもはっきり欲しいものを口にする。
普段はそうやって明確に口にすることが少ないので、だいぶん切羽詰まってきているということだろう。
「だからこの休みは、家でまったりだらだら過ごす。どう思う、アル?」
「───名案だね、それ。乗った」
ふわりと笑うと、アルフォンスは抱いたままだったエドワードの肩を更に引き寄せて、唇を掠め取った。









そして連休明け。
”まったりだらだら”過ごしたおかげで、心身共に満たされたエドワードとアルフォンスは、上機嫌でそれぞれの勤務先へ定時刻に出勤し。
扉の前にへばりついていた3人は、盗み聞きなんてしているヒマがあるのでしたら、というホークアイの言葉と共に山積みされた書類を前に、休むこともできず疲労困憊の朝を迎えていた。






作品名:テクニシャンな彼 作家名:新澤やひろ