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トラブル・スクエア2

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 店の外に出て、静雄が携帯でその先輩とやらに電話をかけるのを、京平は静かに見守った。胸のもやもやは全く晴れない。
 電話が繋がった途端、静雄が嬉しそうに目を細めるので、更にもやもやが濃くなり、そのうえ「いいんっすか!」なんて本当に喜んでたりするんだから、もやもやなんだかイライラなんだか自分でもわからなくなりそうだ。
「……門田、田中先輩会ってくれるって」
 電話を切ったあと、静雄は京平に笑顔を向けて告げた。
 ――ああ。
 自分が頼んだのに、どうして小さく胸にちくりと何かが刺さるんだろう。
 臨也が静雄をいじめる気持ちが100分の1くらい分かる気がした。でも、その笑顔を生みだすパワーを持った人物にこれから会いに行くのだ。ここで怯むわけにはいかない。


作品名:トラブル・スクエア2 作家名:あいたろ