空の涙
ざあああ、とまるで滝みたいに降り続く雨に俺は苛々していた。
梅雨は嫌いだ。
濡れるし、蒸し暑い。
ただでさえ短い俺の導火線はますます短くなっていった。
別に、あいつが何か言ってきた訳じゃない。
あいつは何もしていない。
俺の方を見向きもしなければ、声すら掛けなかった。
なのに。
あいつの姿を見た途端、胸の奥から、何ともいえない感情が湧きあがってきて。
机に座って門田や岸谷と話しているあいつを、あいつの右頬を思い切り殴っていた。
「臨也っ…!!!」
驚いたように門田が声をあげる。
教室の扉に凄い音をたててぶつかった臨也は、声を上げることすらできないらしく、ずるずるとその場に座り込んだ。
岸谷と門田が慌てて近づく。
「大丈夫かい、臨也…!?」
「臨也、息、できるか…?」
臨也は口の端から血を流しながら力なく笑っていた。
保健室に運ばれた臨也は、もう教室に戻ることはなかった。
岸谷に詳しい事を聞いてみたら素っ気なく早退だ、と言われた。
門田も岸谷も相当怒っていた。
悪いとは、思っているのだ。
思ってはいるが、どうすればいいのか解らなかった。
梅雨は嫌いだ。
濡れるし、蒸し暑い。
ただでさえ短い俺の導火線はますます短くなっていった。
別に、あいつが何か言ってきた訳じゃない。
あいつは何もしていない。
俺の方を見向きもしなければ、声すら掛けなかった。
なのに。
あいつの姿を見た途端、胸の奥から、何ともいえない感情が湧きあがってきて。
机に座って門田や岸谷と話しているあいつを、あいつの右頬を思い切り殴っていた。
「臨也っ…!!!」
驚いたように門田が声をあげる。
教室の扉に凄い音をたててぶつかった臨也は、声を上げることすらできないらしく、ずるずるとその場に座り込んだ。
岸谷と門田が慌てて近づく。
「大丈夫かい、臨也…!?」
「臨也、息、できるか…?」
臨也は口の端から血を流しながら力なく笑っていた。
保健室に運ばれた臨也は、もう教室に戻ることはなかった。
岸谷に詳しい事を聞いてみたら素っ気なく早退だ、と言われた。
門田も岸谷も相当怒っていた。
悪いとは、思っているのだ。
思ってはいるが、どうすればいいのか解らなかった。