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手放せない恋のお題

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02. 痛みを伴う予感


 あの金色の日を、いつまでも覚えている。
 広がる草原。一面に広がる草のにおい。太陽に祝福されたような黄金の日。
 その中に揺れた、幼い、太陽から生まれおちたような、金色の髪の毛。
 俺に笑いかけてきた、あの空の色をした瞳を。

 大切なものに出会った、と感じたあの日から、
 いつか訪れるであろう別れを予感して、小さな痛みが胸に刺さった。
 やがて俺の元を離れていくであろうことぐらい、考えなかったわけじゃない。
 それでも、その日は遠い遠い、考えもつかないぐらい遠い星の果てにあると、
 そう、毎日毎日、自分に言い聞かせるように、信じていたかった。

 永遠、という言葉なんて、まやかしだと知っていたあの頃。
 それでもずっと、夜ごとに願い続けたいた奇跡。
 永遠に、共にあり続けれるものが、訪れますように。
 だからあの金色の日、流れ星が願いを叶えてくれた、と、本当に心から信じたんだ。
 お前は俺に舞い降りた、一粒の小さな星だった。

 いつか、この手が、引き裂かれる日がくるとしても。
 誓った愛を後悔なんてしない。与えられた奇跡を恨まない。
 信じた決意を、けして、忘れたくなかった。
 胸に生まれた小さな痛みの予感さえ、
 与えられた奇跡の一つだと、信じていたかった。

 アメリカ。
 俺は、その手を、永遠につないでいたいと、思っていたんだ。

作品名:手放せない恋のお題 作家名:せらきよ