手放せない恋のお題
03. 平気じゃないのはたぶん僕
「ねぇイギリス…」
「…ん、なんだ? アメリカ」
「……キミは、どこにも行かないだろう?」
「………」
「俺はもうどこにも行かない、キミの傍にずっといるよ。だから……イギリス」
「アメリカ」
「………っ…」
「……もう、やめろ」
「……、ごめん」
「永遠なんて」
「?」
「あるはず、ないだろ」
涙のような吐息を漏らした、キミが笑う。
そうだね、とも、そんなことない、とも、言えず、俺はただキミを強く抱きしめた。
「……イギリス」
「………っ……」
キミはなにも言わない。
その理由だって、誰より俺がわかっているのに。
この手のひらさえ、永遠を誓うあうことすら出来ない。