二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

遠い音楽

INDEX|1ページ/5ページ|

次のページ
 
1.すき


「もうかえっちゃうの?」
「あぁ、ごめんな。またすぐ来るからな、いい子にしてろよ、アメリカ」
「うん………イギリス」
 ゆうやけの空にうつるイギリスはきれい。
 金色のかみのけが光にすけてキラキラして、すきとおったみどり色の目は宝石みたいだ。
 おれとつなぐ手はすごくやさしい。ずっとにぎっていたくて、ついつよくにぎってしまうのを、イギリスはくすぐったそうに笑ってくれる。
 あったかくて、やさしくて、きれい。
 おれにとって光のような人。
 おれがせかいでいちばん好きな人。

「つぎはいつきてくれる?」
「そうだな……じゃあ、来週また来るよ、アメリカ」
「ホント!? いつもよりずっと早いんだぞ!」

 ぎゅ、と、イギリスとつないだ手につよく力をこめる。

「あぁ、約束な」

 イギリスの手をにぎる力をつよめても、イギリスはいたそうにはしない。
 おれ/は本当はすごく力がつよいらしいから、きっといたいはずなんだけど。
 おれにいたがるところを見せたら、おれがイギリスと手をつなぐのをこわがるかもしれないからだって、まえにフランスがいってた。
「すぐまた来るから、いい子にしてろよ」
 ふわり、とやさしくキミがわらう。
 大好きなえがお。でも、大好きだけど、少しだけさみしい。
 イギリスは、おれが何かイギリスにいやなことをしていても、それをおしえてくれない気がするから。
「約束だよ、イギリス! 来週ね!」
「あぁ、アメリカ」
 イギリスのえがおが好きで、好きで、大好きで。
 そのえがおをくもらせるなんて、絶対にしたくなかった。

 いつかおれがイギリスのえがおを守るんだ、って。
 いのるようなきもちで、おれはずっとイギリスの手をつないでいたんだ。

作品名:遠い音楽 作家名:せらきよ