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高校生って夢いっぱい

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※主人公=月森 京(つきもり きょう)



01.

一世一大ってくらい本気の俺の震えた告白は
「俺も好きだけど陽介には幸せになってほしいからごめん」
というわけのわからない返答と共に背を向けられて終わった。



先輩に受け入れてもらえなかった想いを聞いてもらったり慰めてもらった。河原で泣いた時は抱きしめてもらった。
些細な事が楽しくて、いつからか一緒にいるだけで幸せで、それが恋だと気付いた。
皆のリーダー。同じ想いを抱いてるやつなんて星の数なんじゃないかと思う。
(さすがにこれは欲目か)

「月森くん、放課後暇かな?」
「せんぱーい!一緒に買い物行かない?」

今日だって可愛い女の子たちにアタックを受けているわけだ。
本当に星の数なんじゃね?と机に肘をつきながら眺めていたら
「ごめん、今日は菜々子と夕飯作るから」
と苦笑いしながら断る月森。
そうだよな、お前はそうじゃなくちゃ。シスコン(ロリコン?)をとった月森は月森じゃない。

じゃあ仕方ないよねと女子は帰って行く。
なんとなくそのままぼーっとしていたら「帰らないのか?」と支度をすませた月森に声をかけられた。

「帰るよ、帰る」
立ち上がって鞄を掴む。教科書やプリントは持ち帰るものじゃないという持論(月森に残念な顔をされる)にそって軽いまま肩にかけ振り返る間も月森はただ立っている。
「菜々子ちゃん待ってんじゃねぇの?」
いつもなら待っててくれてるという事実だけで嬉しさを体言してたけど昨日の今日でしっかり耳に残った「ごめん」が月森の顔を見れないほどの効果だ。
「買い物してから帰るから。同じ方向だし一緒に帰らないか?用事あるならいいけど」
淡々とした口調はいつも通りで昨日のことは俺の悪い夢かも知れないと思った。
思いながら顔を上げて月森の目を見てやっぱり夢じゃなかったって思う。
再び目を逸らす俺を月森は見ていたが、しばらくして「やっぱり嫌か」と小さく言うとその足は教室の出口に向かって歩き出す。
背中を向けられてようやく顔を上げられるが、離れていく背中を見て息が詰まった。

作品名:高校生って夢いっぱい 作家名:糾合