受け取らない、与えない
彼との間、幾度か交わされたやり取り。
始まりはこんな感じだった。
並盛中の廊下。
風紀委員の仕事を終え、応接室に向かう途中のことだった。
沢田綱吉はおずおず(またはびくびく)と僕に話しかけてきたのは。
彼は細く、衣替えをして薄くなった制服の中でさえ、体が泳いでいるようだった。
「あの……ヒバリさん」
「何?」
「あ、あの、何か、欲しいものってありませんか?」
前触れなど何もない、唐突な質問だった。
「無いよ。……用事はそれだけ?無いなら、もう行くよ」
「は、はいっ!すみませんでしたぁ!」
その頃、彼はその力を僅かに発現させはじめたばかりで、僕の興味を引くには至ってなかった。
近くに赤ん坊もいない彼には僕は何の興味もなかったのは無理も無い。
(しかも、僕がわけのわからない病にかけられてから、初めての邂逅だったかもしれない。僕はイラついていた)
始まりはこんな感じだった。
並盛中の廊下。
風紀委員の仕事を終え、応接室に向かう途中のことだった。
沢田綱吉はおずおず(またはびくびく)と僕に話しかけてきたのは。
彼は細く、衣替えをして薄くなった制服の中でさえ、体が泳いでいるようだった。
「あの……ヒバリさん」
「何?」
「あ、あの、何か、欲しいものってありませんか?」
前触れなど何もない、唐突な質問だった。
「無いよ。……用事はそれだけ?無いなら、もう行くよ」
「は、はいっ!すみませんでしたぁ!」
その頃、彼はその力を僅かに発現させはじめたばかりで、僕の興味を引くには至ってなかった。
近くに赤ん坊もいない彼には僕は何の興味もなかったのは無理も無い。
(しかも、僕がわけのわからない病にかけられてから、初めての邂逅だったかもしれない。僕はイラついていた)
作品名:受け取らない、与えない 作家名:加賀屋 藍(※撤退予定)