NeverMore1
いつの間にか、りせが隣にいて、腕を組んできた。
「・・・あなたも、相変わらずですこと」
「千枝、こっち手伝ってくれる?みんなも座ってないで、こっち来て」
雪子がてきぱきと指示を出し、テーブルの上に次々と料理が並べられていく。
「雪子は、すっかり若女将が板に付いてるな」
「そんなことないよ。まだまだ、周りから見ると危なっかしいって」
「天城先輩が仕切ってくれたおかげで、準備がはかどりましたよ。さすが、次期女将なだけあります」
直斗の言葉に、雪子は真っ赤になって、「そんなことないよ」と繰り返した。
「そうか。雪子と直斗がいれば、安心だな」
「えっ?い、いえ、僕はそんな・・・」
直斗が、赤くなって目を逸らす。
相変わらずの反応に、笑いを堪えながら、
「じゃ、俺は何をすればいい?」
「え、いいよ、青葉君は」
「青葉先輩は主役なんですから、座っててください」
「いやいや、こういうのは、混じってた方が楽しいから。コップ足りる?割り箸は?」
「・・・そう?じゃあ、お箸と、後、取り皿を出して、それから」
「ちょ、そんないっぺんに無理」
雪子から次々と出される指示をかわす為、俺は食器棚に向かった。
作品名:NeverMore1 作家名:シャオ