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その体の重みさえも

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 まるで子供の様な抱き上げ方に苦笑する。そういえば幼いアメリカをこうして抱き上げた事があったような気がする。あの頃のアメリカよりは日本は大きく重いが、自分と対等であると信じるには難しいほど細く軽い。
 日本の吐息が聞こえる程近い状況に浮かれている自分が居る事は否めない。しかし正直に認めてしまうには罪悪感が先に立ち、緩みそうになる唇を無理矢理引き締める。
 夢の中だからだろうか、甘えるように体を擦り寄せ首に腕を回された。抱きつかれつい緩みそうになる顔に力を入れようとする。が、寝言で小さく「ちゅうごくさん」と言いながら薄く笑う気配に体全体が硬直したような錯覚すら覚えた。
作品名:その体の重みさえも 作家名:nkn