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願わくばもう一度・・・

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「・・・ちゃん、そ・・・ちゃん」
昔よく聞いた優しい声が耳に入る。今はもう居ない、けど今でも大切な存在。わがままは言わない。もう一度でいい、その声を聞きたい。笑って話しかけて欲しい。優しく、包んで欲しい。
「総ちゃん、そろそろ起きなさい。早く用意して、今日も道場に行くんでしょう?」
誰だ?俺を『総ちゃん』なんて呼んでいいのはあの人だけだ。
「総ちゃん!もう、昨日夜更かしするからいけないのよ」
いきなり冷気が体に触れる。寒くなって丸まったはいいが、今度は揺さぶられた。暖かい、それでいて優しい手だ。
「ほら、早く起きないと。近藤さんが心配するわよ?・・・あら」
クスクスと笑い声まで聞こえる。このまま寝ていたいところだったが、姿を見たい。優しい声と、暖かい手の持ち主を・・・