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my common holiday

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「そりゃそうだよ。恋人にいつまでも昔の自分にこだわられていて、俺がうれしいと思う?君を泣かせたからって、過去に戻ってぶちのめしてやることもできやしないのに?」
「なんだ、それっ」
「だからちゃんと言ってよ、イギリス。命令でもなんでもいい。俺はたぶんあんまり……殆ど聞かないと思うけど、でも、そうしたら少なくとも応えてはあげられる。俺は、イギリスが倒れたっていきなり聞かされて、慌てて駆け付けて死ぬ程心配しなくても済む」
「……ほんとうに心配したのかよ」
「しないわけあるもんか」
 額に宥めるようなキスを落とされ、なおかつ実際に宥められて、イギリスはもういてもたってもいられなくなった。不可解なほどに熱くなっている頬のためにも、どうしてもアメリカに一矢報いてやらなければ気がすまない。例えば、なにかアメリカを困らせるような命令をしてやる、とか。
 じゃあ、とイギリスは言いかけてすこし考え込む。じゃあ、俺は、アメリカに何をしてほしいんだろう。
「じゃあ、ここにいて、手、つなげ」
 俺が眠れるまで。
 どこまでも楽しそうな笑い声が響き、やがて大きな手がイギリスの瞼を下ろした。答えることさえしなかった。
(あんな風に言ってたくせに)
 その日、アメリカはほんとうにイギリスが眠るまで、いや眠っている間じゅうずっと手をつないでくれた。次にイギリスが目を覚ましたとき、上半身をすっかり痺れたふとももの上に倒していてもアメリカはまだ、しっかりイギリスと指を絡めていた。
作品名:my common holiday 作家名:しもてぃ