さようなら、恒常な日々
「おおおおりいいはあああるぁあああああ!!!!!殺ーす!ブチ殺すバリ殺すメチャ殺す殺す殺す殺す!!!」
「ブチにバリにメチャだって!やっだー!卑猥ー!!スーケーベー!!シズちゃんてばムッツリー!!あっははははは!!」
「うっっっっぜぇえええ!!!てめえ!!止まりやがれ!!即死ね今死ね一瞬で死ね死ね死ね!!!死にやがれ!!!いっそ俺が殺してやる!!!」
「ぼーりょく、はんたぁーい!!暴力よくない、非常によくな~い!」
ドガーンッッバキャアアッガッシャーン
校庭と校庭向きの教室の方から破壊音が鳴り響き、怒鳴り声と笑い声が響き渡る
あの2人がまるで世界大戦の陸上戦のような鬼ごっこを入学時から始めた時から、学校の配置が変わった
主にリアル鬼ごっこをする廊下には生徒が端っこを足早に歩くようになり、物が飛び交う校庭や屋上には人が寄り付かず、特に校庭側の1階の教室は全て空き教室か倉庫になってしまった
本来ならば新入生の教室はソコだったが、急遽2階の教室に移動になったほどだ
「・・・またか」
騒がしい破壊音と怯えた教師の声と生徒のざわめきを聞きながら、門田は頬杖をついて破壊音を出している元凶に溜息をついた
来神高校に入学して早2ヶ月
荒々しく暴力的でかなり危険な日常になんとなく生徒も教師も慣れてきたこの頃
人間の順応能力は早いらしい
キーンコーンカーン
最後にドガァアッッシャーンッッッという音と共に授業が終わる
これから昼休みだ
一応あの2人も休戦状態になる時々平和な時間の始まり
折原は購買、平和島は弁当
そして2人は教室で食べているらしく、この学校唯一の救いは2人を別クラスに配置していたことだろう
門田は朝買ったコンビニおにぎりとパン、お茶を食べながら思う
もぐもぐと昼食を咀嚼していると窓際席なので校庭が良く見える位置
そして校庭には先程まで壮絶な鬼ごっこを繰り広げていた折原と平和島、そして2人の共通の友人と噂の岸谷がいた
まず驚くのは目を合わせて同じ部屋にいるだけで喧嘩を繰り広げる2人が口喧嘩はしているようだが、一緒にいること
そしてそのまま校庭の奥に設置されてるベンチに仲良く岸谷を間に挟んでご飯を食べていることだ
多少は口喧嘩しているようだが、まぁ被害がないのでいいんじゃないだろうか?
いつもこれくらいのいがみ合いならば学校生活がもう少し楽しくなると思う
まぁ、しかし、なんだかんだと言って喧嘩するほど仲がいいのか
それとも2人してその岸谷が大切な友人なのか
まあ、自分には関係ないことだ
門田はそう判断して、3人の関係分析を放棄した
なんにせよ、平和な時間が1番だということだ
入学してちょっと過ぎ後の1学期
作品名:さようなら、恒常な日々 作家名:灰青