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森永 マミィ
森永 マミィ
novelistID. 10853
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天空のロスト 紅桜編

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はらはらはら…。さくらが、散る。
眼の前に…。はらはらはら、と…。

ここは、どこだ。
なんだ、このあかい、紅い桜は…。

********

どんどん、落ちてゆく…。

俺はコナンの手を取るため、飛行船の窓から
蒼穹の広がる空間へ飛び出した。

とにかく、助けなければ!
その思いだけだった。
もっともっと、そばへ!





もっともっと!
もっともっと!!!
届けぇぇぇッ!!

…ふわり、新一、いや今はコナン、のやわらかい髪が頬にふれた。
あと、少し!
  
俺はコナンの背中に手をまわし、思い切り、ぬくもりを抱きしめる。
つかまえた!
もう、離さない。

俺の…大切な…かたわれ。
もう一人の…
俺。

…よかった。
じゃ、ない!!
このままでは二人もろとも海の藻屑となってしまうじゃないか!!
パラシュートのスイッチを慌てて探す。
コナンが俺の腹やら胸やら腰やら弄る。
くすぐったい。
しかしなんとか間一髪、見つかり
ブワっと蒼の中に白いパラシュートが広がる。

ほぉっと息を付く。間に合った。
パラシュートでゆっくり下降を続け、
着いた矢先…。
岩か何かに頭を強か打ち付け、
意識を二人、手放してしまった。

*******

パッと目を覚ます。
見知らぬ風景が広がる。
一面の、ぴんく。
いや、桜。しかも濃い色だ。

一体ここはどこだ…。
コナンは? 視線を左右に向けると、左側にいた。まだ目を覚ましていないようだ。左手でコナンの手をにぎる。あたたかさが心に沁みてくる。

そのまま目をつぶっていると、少女の声が聞こえてきた。
「おぉ!これがワーさんとナーさんアルか?」
(はぁ?なんだ?ワーさんとナーさんて)
「神楽ちゃん、違うと思うよ。
ワ―さんとナーさんは、日本人じゃないと思うし。一人はなんだか手品でもやりそうな服装だし。」
「じゃあ、何アルか?」
「…なんだろう。「拾ったものは交番へ」だから、土方さんあたりに届けようか?いや、その前に気を失ってるから救急車かな」
「えぇ!つまんないアル!」
「だって、この人たちこのままにしとけないじゃない」
「万事屋なんだからうちでひきとるアル!」
「どぇぇ!何言ってんの、神楽ちゃん!そんなことしたら更にお財布が大ピンチ!卵かけごはんも難しくなるよ!」
「それは困るアル!じゃマヨラーに渡すアル。ちょうど今そこにいるアル」
少女が視線を斜め後ろに送る。うすらと目を少し開け視線の先を見ると、ここは花見スポットらしく、大勢のグループが桜の下にゴザを敷いていた。
(花見なのはわかったがなんなんだ、ここは一体…。そういえばさっき警察とか言ったな。それだけは怪盗として御免蒙るのでさっさとこの場を去ろう。コナンはまだ目を覚ましてないけど背負えばいいか)
そう思い、頭をふるふると振って俺は眼をパッと開き上体を起こした。
「あ!!ぱっつぁん!片割れのワーさんが起きたアル!」
「あ、あの、俺はワ―さんじゃなくて
快斗というものです、お嬢さん」
「お嬢さん!(突然鼻高々)おっほほほ!私はお嬢様アル!さぁ、そこに跪きなさい!」
「(おいおい、なんだこの娘は…。)
お嬢さん、お伺いしたいのですが、一体ここはどこですか?」
「(大きな目をきょとんとしつつ)
?お前ら,歌舞伎町も知らないアルか?」
「え。歌舞伎町…ですか?」
疑問形なのは、俺の知っている歌舞伎町とは様子が全く異なるからだ。
更にこの少女、神楽ちゃん?の服装はチャイナだし、もう一人の少年の服装はメガネはいいとして着物に袴。まるで時代劇だ。
「当たり前アル!頭でも打って記憶なくしたアルか?」
「いえ、俺の知っている歌舞伎町とはなんか違うような気がして…」
と言ってるそばから人間じゃない生物が通った。
「あ、あれ何かのコスプレ??体が人間で頭が犬なんですけど…」
「えぇっ!天人も知らないアルか?もしや田舎から家出してきたアルか?」
「え?なに?あまんとって?」
「………」それを聞いたとたん、
やれやれ、というふうに両手を左右に広げ少年を見遣った。
「…。とにかく俺たちじゃどうしたらいいかわからないから銀さんに相談してこようよ、神楽ちゃん」
と少年が言うなり、先ほど視線を送った先に二人共走り去っていった。
(今のうちに去ろう!)そう思い、コナンの両腕を自分の肩にかけ背負おうとした刹那……。
「ほらほら、こっちアル!銀ちゃん!マヨラー!」
先ほどの少女が誰かに声をかけながら戻ってきてしまった。
「ほら銀さん、土方さん、この二人が空から落ちて来たんですよ」と少年が言う。
黒服の男が「パラシュートだな」
とぽつり、呟いた。たしかにその通りだ。パラシュートの残骸が俺たちの下に横たわっている。
俺はスイッチを押してパラシュートをしまった。
様子を見ていた黒服の男は瞳孔が開き気味でキレイ系だがちょっとヤバい感じがする。もう一人は天パの銀髪で頭をぼりぼりと掻きながらまるで死んだ魚のような目をしていてけだるそうな感じだ。
俺は単刀直入にしっかりしていそうな黒服の男に向って尋ねた。
「此処は一体どこですか?」
男は瞳孔の開いた眼をさらに大きく開き
「…歌舞伎町だ」とぽそり、響く低音で答えた。
「俺たちの知ってる歌舞伎町とちょっと違うみたいなんですけど…」
「???」
そういうと黒服はおろか、銀髪も首をコトリとかしげた。
「ね?この人たち記憶喪失アルよ!」と少女が言う。
「そうだな…。また面倒なの拾っちまったな、オイ。ここはやっぱり公僕の土方くんにまかせて俺たちは花見に戻るか」
と黒服に視線を向けた。黒服の名は土方と言うらしい。
すると黒服、土方という人が
「オイ!ちょっと待てやコルァ!」
と怒鳴った。
「オメェ、万事屋なんだから、面倒みろよ。ウチは大人の迷子を面倒みれるほど暇じゃねぇんだよ」
「なんだってェェ?真選組はおれらの大事な血税で生活してんでしょお?それはないんじゃないんですかぁ?」
「おめぇ、税金なんて所得もねぇのに払ったことなんかあるのか?」
「………」
なんだか、二人の間の空気が剣呑である。
睨みあって一触即発状態だ。そこでつい声を発してしまった。
「いや、俺はちゃんと記憶はあります。名前は快斗。マジシャンです。となりの子はコナン。子どもですが立派な探偵です」
「アレ?なんか聞いたことあるような気がするな?神楽?」
銀髪が少女、神楽ちゃん?に言う。
「そうアルね…。そういえばこのちっこいの、メガネといい、蝶ネクタイといい、アニメ「名探偵コナン」にくりそつアル!」
そういって銀髪と神楽ちゃん?は俺たちをマジマジと見つめる。
「も、もしかしてあの「体は子ども、頭脳は大人、名探偵コナン」アルか?」
「え!!!なんで、知ってんの?」
「毎週、テレビで見てるアル!」
「え?テレビで?」
…わけがわからない。この町も、この人たちも…。
銀髪と神楽ちゃん?が二人目を合わせなぜかニンマリ笑う。
(オイオイ、好機到来じゃね?コナンが銀魂にも出てくれたらさらに人気が不動になんじゃね?もうシーズン毎に打ちきりか?とか不安にならなくてよくね?)…銀時は実はコナン人気にあやかりたいという下心満々である。神楽ももちろん推して知るべしだ。