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303号室の食卓

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「・・・・・・帝人」
「なんですか?」
「見ろ」
「はぁ?何を・・・、」



「初めて俵型に成功した」
「ヘ、ヘェー・・・・・」



 朝食を終えて出発までの時間をまったり過ごしている最中、かけられた声に振り返ると、静雄さんがとんでもない大きさのおにぎりを手にして満足そうに笑っていた。
 コメントを求めて輝いている視線をスルーして見やった空のお釜が切ない。おっかしいな明日明後日の分まで炊いたんだけどな。呟くと同時に強制的に持たされたおにぎりの重さに思わず涙が出た。お、重!どんだけぎっしり・・・・。


 「お前の今日の弁当これな」
 「・・・・・具は?もしくはおかずは?」
 「いっぱい食え。とにかく食え」
 「 茶 化 す な 」
 「俺も食う」
 「え自分のぶんまで・・・・ってでかーーーーー!!!」


 僕は良いですけどちゃっかり自分の分まで作らないで下さいよ何やってんの!
 ほんとにどんだけ新米好きなの、この草食ライオン。いや、米食いライオン。
 ・・・・ださっ
作品名:303号室の食卓 作家名:キリカ