雪柳
皆がそれぞれに話に楽しむ。その中で、乱太郎に近づいたのはきり丸としんべヱ。もう乱太郎よりて手も足も背も大きくなった。乱太郎はあの一年生のままそこで眠っている。
「小さかったんだねぇ…」
「そうだな」
あの頃はそんなに思わなかったこと。まだ自分達んお手は小さすぎて、乱太郎の手と同じ小さかった。けれど成長しそして思ったこと。
「こんな小さな乱太郎に…僕達は全てを任せちゃったんだね」
「ああ…。本当は乱太郎一人に背負わせるんじゃなくて…最後まで三人でいればよかったんだ」
それはあの時から思っている後悔という感情。それは学園内の誰もが学園長さえそれを思っていた。
「乱太郎」
「乱太郎」
二人は繭に手を当てる。繭からは乱太郎の心音が感じられた。乱太郎が生きているという証拠。
「乱太郎、オレ達ちゃんと生きてるよ」
「乱太郎に恥ずかしくないようにね」
「自分の道を」
「歩いてるよ」
「だから」
「心配しないで?」
「そこで見ていて?」
「絶対に」
「本当に」
「僕たちは」
「「「「「「「「「自分の道を歩き続けるから」」」」」」」」」」
そこに土井も山田言った。
「私たちもいきる」
「お前がくれた大切な命だからな」
全員が繭に触った。暖かい…命。
それは一瞬だったのかも知れない。
神の気まぐれだったのかも知れない。
けれど、そこにいる誰もが感じて聞いたのだ。
そう、眠っている乱太郎の声を姿を。
桜が舞う中で起こった。
桜の中に一瞬だけれど見えた笑っている乱太郎。
『皆、生きてくれてありがとう。私はずっと皆の側にいるから。…来世で会おうね』
「「「「「「「「「「「乱太郎!!!」」」」」」」」」」」」
一瞬だったとしても、
皆にとっては、あのときからずっと見たかった乱太郎の笑顔だった。
桜の中で起ったのは
これから生きるための…活力
そして、奇跡の一瞬だった。
桜はそれを祝うかのように舞いあがった。