二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
みとなんこ@紺
みとなんこ@紺
novelistID. 6351
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

オアシス

INDEX|4ページ/4ページ|

前のページ
 

家から、呼ぶ声に答えてマグナが慌てて走っていく。
その背の後を追いながら、ネスティは小さく笑みを浮かべた。





・・・本来、騒がしいのは苦手なタチだ。
ずっと、そう思ってきた。

だけど、

中には“嫌じゃない騒がしさ”も、あったと。
最近は少し、そう思えるようになってきた。


――――・・・早く、離れないと。




ここは、居心地が良くて、困る。




『自分が、好きだと思う人たちを、その居場所を守れたら、あとはどうなったとしても、本当は構わないんだとしたら?』


――――あの時の、トウヤの答え。
本当は、すぐに答えられる答えは自分の中にもあった。

「・・・どうもしないさ」

誰にも聞かせるつもりのない独白に、唇が自然と笑みを形作る。

「たぶん、僕も同じだ」



聖王都へ戻れば、またこことは違う価値観の中で生きなければならず、自分たちを縛る鎖を完全に断ち切ることも出来ないのだから。

・・・それでも、彼が笑うから。


「ネスと一緒なら、いいよ」


そう言って、優しいその手で触れてくるから。
・・・それさえあれば、何処でだって、生きていけるのだろうけれど。

だけど、もう少しだけ、ここにいても良いだろうか。
この、何処にでも開かれた、壁のない、閉じた“楽園”に。



どうか、いつまでも夢から醒めずにいられる事を願いながら。



作品名:オアシス 作家名:みとなんこ@紺