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「…た、助かった……」
 未だにその場へ倒れ伏したままの青年達の一人が、呻くように言ってため息をついた。
 ナンパのつもりでわざとぶつかって声を掛けた少女が、あの雲雀恭弥の知人だったなんて。
 しかも手を繋いで連れ立って歩いて行ったあの様子から察するに、二人の関係は只の知り合いというだけではなく、それよりもっと深く関わりのあるもの───所謂恋人同士と呼ばれるそれなのだろう。
「けど、あのヒバリとつきあえる女がいるとは思わなかったぜ…」
 おそらく、明日学校へ行って友人達に話しても、本気にはされないのではないだろうか。
 実際にこの場で当人のやりとりを見た自分たちでも、にわかに信じられない気分なのだから。
「つか、あのヒバリを説き伏せられるなんて…」
「どれだけ大物なんだ、あの女の子……」
 並盛最強の存在と対等に渡り合える人間がいて、しかもそれがあんな可愛らしい少女だったなんて。

















 後日、街で綱吉を見かけた青年達は、密かに彼女を『姐さん』と呼んで一礼したとかしなかったとか。