おまえも食えも!
「分かったも。じゃあ、大切にしろも。でもリキ、ダンバンの感覚がちょっと分からないも。あんなにおいしいのにも」
「すまんな、リキ。でも、俺にとってはもらって嬉しいものであることには変わりないぞ」
「ま、それならいいも!」
かと思えば、ダンバンのその一言でもう満面の笑みに戻ったリキは、ぴょん、とひとつ跳んだ。その立ち直りの早さに、ダンバンは内心胸をなでおろす。そんな彼に、もう一度純真無垢な言葉が突き刺さるのに、そう時間はかからなかった。
「さてと。シュルクとラインは、どんな虫を食べるのかも?プレゼントするのが楽しみだも〜」
「あ、いや……」
『俺は虫を食べない』ではなく、『ホムスは虫を食べない』と答えるべきであったとダンバンが後悔する間に、リキは次のオトモの元へ、ぴょこぴょこと掛けていく。その、子うさぎのような、憎めない後姿をぼんやりと見つめながら、まぁいいか、とダンバンは一人苦笑したのだった。