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二次創作オールジャンルの短い話のまとめ。(永遠に執筆中)

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『よーぐるとの日。』学パロ/白髪三人。(5月15日)



「寄り付くな!」
 ぺたぺたと、ずっと握られている手の平は少し汗ばんできて、まるで死人のように(正直な話で死神に見える)冷たい手の平に体温を奪われているような錯覚を起こした。
「……酷いですねぇ。逃げる場所を作ってあげたのに」
 今、追い出しても構わないんですよ? と死人のような顔立ちをした男に言われて、う、と言葉を詰まらす羽目となった。
 理由は単純だ。ここ最近ずっと私に付きまとう家康から逃げる場所が欲しくて、駆け込んだ場所だから、この部屋の持ち主に刃向かう事は死を意味する。
「それは、困るが……」
「なら、素直にそのままでいてくださいよ。私は好きなんです、血の暖かさがね!」
 あぁ、失敗したと思った。これなら迷惑を覚悟して半兵衛先輩のとこでも吉継のところでもマシな場所はあった、と。
「……、なんて気持ち悪いんだ」
「ふふふ、もっと言ってください!」
 こいつ、Mなのか。最早気持ち悪いの域を越えて早く死んではくれないだろうか、と嫌悪さで一杯な目で眺めてやれば、嬉しそうに微笑まれた。
「……貴様ァ……」
「…………邪魔するよ」
 ガラッと扉が開いた音がなったので、家康が来たのかと警戒しながら振り返えれば、半兵衛先輩が体調が悪そうに額に手を当てながら部屋に入ってきていた。
「は、半兵衛先輩!」
「あぁ、三成君か……先生、ベッドを使わせて貰うから」
 のろのろと体調が悪そうに歩く先輩に手を差し伸べれば「すまないね」と言いつつ手を握ってきて、そのままカーテン中のベッドへ近付いた。
「大丈夫ですか半兵衛先輩」
「いつも通りだからね……。あ、そこに居てくれたまえ。話し相手をしてくれないかい?」
「はい」
 先生のお向かいにあるキャスター付の椅子をがらがら引っ張ってきて、上半身を持ち上げたままの半兵衛先輩の横に持って行けば体調が悪そうなままだが、笑って見せてくれた。
「……ところで、君はどうして保健室に居るんだい? そんな体調を崩しやしないだろう」
「家康から逃げてます」
「あぁ、なるほど。そういえば探していたような……さっき校内放送で呼び出していたよ」
 思い出したようにスピーカーの方を指差しながら、うむうむ呟いていた。
「放送……? 流れてませんけど」
「あぁ、明智先生が放送が煩いって保健室のスピーカーを壊しちゃったからね」
 直そうと思ったら嫌がられた、と肩を竦められて、
闇医者っぽいでなく破壊神であると認識を変えなければいけないようである。
「……几帳面なんですね」
「いや、自分の世界に入りたいだけみたいだけどね」
「……はぁ、」
「あ、そうだ。……三成君、購買で買い物を頼まれてくれるかい?」
 白い学ラン(どこで仕入れているか謎である)のポケットから千円札を取り出されて、手に握るように持たされたものだから、頷いて肯定を示した。
「よかった。ヨーグルト買ってきてくれるかい?」
「どうしてヨーグルトを?」
「あぁ、いや。今日がヨーグルトの日なんだって。だから、おもしろ半分ってだけだよ」
 じゃ、待ってるから。と手を振る半兵衛先輩を背にして購買まで走る羽目となった。


「…………」
 結局、購買は時間で閉まっていて、校外のコンビニまで買いに行った事は秘密である。