二次創作オールジャンルの短い話のまとめ。(永遠に執筆中)
『こどもの日。』光秀と蘭丸(5月5日)
「光秀!」
「全く煩いですねぇ……どうか、しましたか」
「今日はなんだか、みんな蘭丸に貢ぎ物をくれるんだ。だから光秀も寄越せよな!」
「ほぉ……それは、それは、よかったですね」
「なんだよー。信長様も濃姫様もくれたのに光秀はくれないのか?」
「そんなもの、持ち合わせていませんので」
「じゃあ、そこにあるのは、なんだよ! それを蘭丸にくれないのか?」
「駄目です、これは帰蝶の為に買ったんです」
「光秀、濃姫様の事が好きなのか? 絶対叶いやしないけどな!」
「なに言ってるんですか。帰蝶はただの幼馴染ですよ」
「だったら、蘭丸にだって、世話になってるのだから何かくれたっていいだろ!」
「…………はぁ。今度どっか行った時にでも考えてあげるので、出てってくださいよ」
「光秀の馬鹿!」
『ラブレターの日。』慶次→半兵衛が前提の半兵衛と三成/学パロ(5月23日)
「……どうしよう。なにを書けば……」
「どうしたのですか、半兵衛先輩」
「……あぁ、無視して破ろうかな」
「はんべー先輩? はんべ先輩」
「あぁ、もう。なんでこんなに悩まなくちゃいけないんだ!」
「かめん先輩」
「……その名前で呼ばないでくれるかな、三成くん」
「だって名前を呼んでも気付いて貰えなかったので」
「そうかい。……丁度よかった、この文章を考えてくれるかい?」
「……ラブレター、ですか」
「なんだか知らないけど、貰ってしまってね。だから断る文章を書かなきゃいけないんだけど、何を書いていいかわからないんだよ」
「……僕には好きな人がいます、とか」
「それやったら、誰ですか? って詰問する手紙が来た」
「それって同じ人から何度も……?」
「もう五、六枚来たね。一回なんて僕の1日の行動範囲について書いてあった」
「それ、セクハラの域じゃないですか」
「やっぱり訴えようかな」
「相手がわかっていれば勝訴出来ますよ」
「わかってるよ、慶次くんだって。本当に嫌な冗談だよね……」
「(それ、本気なんじゃないか……)」
『ホワイトデー』慶次と半兵衛
「なぁー半兵衛、」
「なにだい、慶次くん」
「今日、何日か知ってるか?」
「今日は3月14日だけどなにもないよ」
「ホワイトデー、だろ」
「あぁ……お菓子業界が売るために作った記念日だね、それがどうかした?」
「半兵衛、それは天然なのか? まぁいいや、これあげるよ」
「……? 僕は君にあげてないし、僕は女の子じゃないよ」
「いや、安かったから買っちゃっただけだから気にしないで」
「じゃあ、ありがたく貰うよ」
***
「ねぇ、最後の一個俺にくれよ」
「別に構わないけど、君の分も買っておきなよ。ほら、」
「なぁ、口渡しがいい」
「……は?」
「いーから、いーから。ほら口にお菓子くわえて」
「…………?」
「じゃあ、いただきます」
「ん、っく……ふぁ、…ぁん」
「……おいしい」
「全く、いい加減にしなよ、慶次くん!」
「半兵衛の顔、赤くて可愛い」
「…………!!」
『花見』松永と風魔
「……なんだね、私に言いたい事があれば言うといい」
「…………」
「声がないのは知ってるが意志の疎通は髪に文字を書けば出来るではないか、ほら好きなだけやるから書くがいいよ」
「……」
「卿は私の話を聞いているのかね? ほら、紙に硯だ。なにか書きたまえよ、桜が綺麗だとか言えないのかね」
「……」
「黙るのはやめて欲しいのだけどね。……もしかしてというのもなんだが、その兜は外を見れるようにできるのかね?」
「…」
「首を振って示すなんてなんとも芸のない……。見えないのならその兜を外したまえよ、今卿の主は私だぞ? 従えたまえ」
「……」
「なんでそこで首を振るかね……。全く聞き分けの悪い男だ。ならば実力行使とさせてもらうぞ?」
「………」
「無言は肯定と見なさせて貰うぞ?」
「……っ!!」
「全くなんだね、その引きつったような口許は。そんなに卿は私の事が嫌いかね?」
「……」
「なぜ、そこで頷くのかね…。傷つくではないか」
「…………(そう、なの?)」
「そうか読唇術という手があったな。卿は声発せられないのによく使えるものだね」
「……(なに)」
「そんなに気分を悪くしないでくれたまえよ。傷つくだろう」
「…(うそ)」
「全く、散々に言うね、卿は」
「…………(どうして、兜、取りたがる?)」
「そんなの簡単ではないか、卿は桜を見れるし私は卿と二人で花見が出来るし卿の顔を拝む事さえも出来る。それだけの理由だけれどどうかしたのかね?」
「……(そう、別に取っても構わない)」
「ならとっとと兜を外して共に話をしようではないか、満開でとても綺麗だぞ?」
「……(ん、)」
『花見』慶次と半兵衛
「いいねぇ、桜ってのは日の本の花だねぇ!」
「……やっぱり春には馬鹿が増えるんだね。」
「え、ちょっと待ってよ半兵衛。俺が馬鹿だって言うのかい?」
「……勿論。春だから悪化しているとは思うけども」
「相変わらず半兵衛は酷いなぁ」
「どうして僕が君に優しくしなくちゃならないのか教えてくれよ」
「だって、年に何度も拝めやしない桜なんだからぱーっと羽目外すのもいいと思いはしないのかい?」
「……万年、やれ祭りやなんや言ってる男に言われるなんて心外だよ」
「全くつれねぇよなぁ、半兵衛は。……なぁ、酒でも飲まないかい?」
「…君が勝手に飲んだらどうだい」
「え? 隣に居てくれるのかい?」
「……嫌なら帰るよ」
「そんな事ねぇって、嬉しいに決まってるよ」
『花見』元親と元就
「ちょうど、八分咲きって感じで粋な感じがじゃねぇか」
「それを否定はしないが、なぜ我を引っ張ってきたのだ。理由を申せ、理由をだ」
「だっても何もねぇよ。比較的近くに住んでいる、行きやすい。話してて楽しいと三重も重なれば十分だろ」
「……独眼竜だったか? あやつの方が貴様と馬が合うだろうに」
「政宗はいいが……ちょっくら遠いからそりゃ無理な相談ってやつだぜ。しかも腹心をあしらわなくちゃいけねぇ」
「つまりは我は独眼竜の代わりという事だね?」
「ちょっと待て元就。そんな事、俺はひとっかじりも言ってねぇぜ? アンタと桜見たかったって正直に言わなかった俺も悪ィがこれは酷すぎるだろ元就」
「ふん、はじめからそう申せばいいものの……」
「だーかーらー。俺が悪かったって言ってるじゃねぇか」
「そのような軽口で我が許すと思うておるのか」
「だから悪気はねぇんだって。……ほらほら酒でも飲もうぜ?」
「我は要らぬ。貴様一人で勝手に飲んでいろ」
「ちぇ……」
『雨の日』佐助→幸村(ばさら)
雨が降っている。空は鉛色で気分がどんよりと沈んでも可笑しくない状況だ。けれど、熱血漢な主が同じ傘の中ではしゃいでる姿は、雲の狭間からの太陽のように晴れやかであった。それは戦場の姿とは打って変わって微笑ましい光景で、憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれる。
作品名:二次創作オールジャンルの短い話のまとめ。(永遠に執筆中) 作家名:榛☻荊