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【APH】恋ごころを回す、古い歯車

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「ああ。だって、こいつは俺の生涯のパートナーだ」
 だからきっと、この質問をもちろん今日も繰り返したんだろ、日本。
「そうやって、本気でこのプロジェクトに取り組む貴方を、私は尊敬します」
 そう言って日本はお決まりの愛想笑いを浮かべると、一旦彼は研究室から引き上げ、ふらろいどそっくりのロボットを台座に乗せて持ってきた。
「姿は二十六くらいの白人男性。髪色はブロンド、瞳はブルー。体格はあまりがっしりしているタイプではなく、すこし柔らかそうな感じに仕上げておきました。あまり格好良すぎるのも非現実的な印象を与えるかと思いますので、顎のあたりにあっさりと髭も……まあこれは元々、ふらろいどにもありましたが」
 ヴォーグだとか、そういう雑誌によく載っているセンスの良さそうな服を纏ったそのロボットの手を俺は持ち上げ、本格的に稼働させる前に指先の動きを調べる。
 滑らかな動き、そして温もりを感じさせるようなすべすべとした、まるで人間のような肌触り。きっと日本はこれを、セクサロイドと見なして作り上げたに違いない。
 でも俺は違う。
 ふらろいどの存在を近くに感じたいだけなんだ。
 俺のことを理解してくれるのはいつでも、こいつだけだった。
『ふらろいど』の中には間違いなく、心があった。
 俺に向けての、まがうことなき一つの愛情があった。

「イギリスさん。このふらろいどプロジェクトに関し、力を貸して下さった方を紹介しましょう――フランスさんです」

 けれども、まさか現実に存在しているとは思わなかった。
 はじめまして、と首を下げる、ふらろいどそっくりのフランスという名の男にイギリスは言葉を失った。
 機械相手に向けていた心とは違う、イギリスの『こころ』がいま、動き出す。