待ち合わせ、青空の下
「………エーリッヒ?」
「だって、その間は、あなたのことばかり、考えていられるでしょう?」
だから幸せなんです。
青空を背負ったシュミットが、微笑んだ視界いっぱいに広がった。
頭の中だけでなく心の中だけでなく、視界さえシュミットに占領されて、けれどそれが自分の幸せなのだと改めて自覚したのは、待ち望んでいた温もりが柔らかく唇に触れた瞬間。
『俺といるときは俺のことだけ考えていろ』
(僕の中は、いつだって貴方だけでいっぱいなんですよ、シュミット)
2010.7.11
作品名:待ち合わせ、青空の下 作家名:ことかた