今(君に)愛に生きます!
現在深夜1時過ぎ。
別に節約を心掛けている訳でもないんだけど、部屋の明かりはつけないでパソコンの光のみでチャットをやっていたせいでちょっと目が痛い。
田中太郎【そろそろ落ちますね。おやすみなさい】
セットン[おやすみ]
甘楽《えー、落ちちゃうんですかぁさみしいですー。》
退出ボタンをクリッククリック。
っていうか甘楽さんの・・臨也さんのネカマっぷりは本人を知った今ひどくうさんくさくて気持ち悪い。
紀田くんが「臨也さんは吐き気がする」って言ってたけどその気持ちがだんだんとわかってきた(たぶん紀田くんが言ってる意味とはちょっと違うだろうけど)
さてと、と立ち上がって寝る為の準備を始める。
凝り固まってたせいで腰がパキッと音を立てた(年寄りみたいでやだなぁ)
お風呂はもう入ってたので、チャットしながら飲んでたお茶を片付けて歯を磨くだけ。
台所のフローリングに素足が冷たい。冷え切る前に洗ってしまってとっととベッドにもぐりこもう。
と、スポンジを手に取ったところでピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。
(え、うそ、いま深夜ですけど?)
まさか新聞の勧誘なんてありえない。
近くで火事とか事故だろうか?(にしては静かだ。何の音も聞こえない)
もしかして聞き間違い?
なんて固まってたら、焦れたように2、3度立て続けに
ぴんぽーん
ぴんぽー・・・ん
(え、ホラー!?)
恐る恐るスポンジを置いて玄関へ近づく。
へっぴり腰になるのを自覚しながらも(だって怖すぎる)外へ足音が漏れないように忍び寄る。
もともとパソコンの電気しか付いてないんだ。
外から僕が起きてるかどうかなんてわかりっこない。
だからこのままスコープを覗いて、誰もいなかったり(それはそれで怖いけど)、怖そうな人が立ってたりしたら、スルーして寝てしまおう。うんそうしよう。
抜き足差し足で忍び寄った玄関。
片目をスコープにくっつけるようにして外を見やると・・
「い、臨也さん!?」
なんでここにいるの!?
寒空の下、薄い玄関の扉の向こうでヒラヒラと手を振って笑ってる。
慌ててドアを開ければ冷たい風が吹き込んできた。
瞬間的に冷えた体を震わせると、ポケットに突っ込んでいたからなのか温かみのある(イメージとは違うけど)臨也さんの手が僕の両頬を包み込んできた。
「やぁこんばんは」
「え?あ、はい、こんばんは・・ってなんでここに・・・?」
「まぁまぁいいからいいから。じゃ、入ろっか」
「は!?えぇ!!?」
戸惑っている間に、ぐぐっと体を押されて半ば突き飛ばされるように部屋の中へ逆戻り(ちょっと肩痛い)
いつもの感情が読めない笑顔を浮かべて(笑顔なのに楽しさのかけらもない)押し入ってきた臨也さんは、僕に了承もとらず靴を脱いでスタスタと部屋に入り込むと、遠慮なくベッドに腰掛けた。
「何の用ですかこんな夜中に・・・」
こんなことならドアなんて絶対に開けるんじゃなかった。
僕の後悔に気付いているのかいないのか(気付いててもきっとどうせ笑うだけだけど)何が楽しいのかまたにっこりと笑った。
「さっき書いたでしょ。そこに」
「書いた・・・?あぁチャットですか?」
「そうそう!あ、そうか帝人君ったらひどいなぁ。俺の最後のメッセージ見る前に退出しちゃったでしょ」
「そうなんですか?それは・・・すみません」
机の上にあったパソコンの画面を見てケラケラと臨也さんは笑う(ほんとによく笑う人だな)
でも僕が落ちるのと同時に甘楽さん(臨也さんだけど)が書きこんだなら、確かに僕は見てないし無視したことになっちゃう。
ちょっとだけ悪いことしたな、って気分になりつつも・・・
「・・・でもそれってここに臨也さんがいることと何か関係あるんですか?」
「大有りだよ!帝人君はほんっと冷たいよねー。でも好き!」
「・・・・・・」
(勝手に言ってろ)
とっさに口をつきそうになった言葉を飲み込んでメッセージを確認しようとパソコンに近づけば、ぐいっと腕をつかまれて引っ張られた。
「ちょっと臨也さん!?」
引っ張られた体はあっさりと臨也さんに抱きこまれて(うわぁ)膝の上に座らされる。
首をひねるようにして見上げた顔はやっぱりどこまでもニヤニヤ笑ってた(きもちわる)
「なんて書いたか知りたい?」
「いえ別に・・・」
「知りたい?」
「いやだから」
「し・り・た・い?」
「・・・・・・知りたいです」
あははーそうだよねぇ俺のこと知りたいよねぇ帝人君ったら可愛いんだから好きな人のことを知りたいなんて高校生らしくて君らしくて可愛くて大好きだよ、なんてワンブレスでだらだらとしゃべり始めてしまった。
頭の上の方でそんな頭が腐ったような話をされると(話っていうか独り言だけど)こっちまでおかしくなりそうで(ほんとにもうこの人めんどくさい)
「『いま、あいにいきます』って書いたんだよ」
「は?」
「だーかーらー、いま、あいにいきますって書いたの!」
別に節約を心掛けている訳でもないんだけど、部屋の明かりはつけないでパソコンの光のみでチャットをやっていたせいでちょっと目が痛い。
田中太郎【そろそろ落ちますね。おやすみなさい】
セットン[おやすみ]
甘楽《えー、落ちちゃうんですかぁさみしいですー。》
退出ボタンをクリッククリック。
っていうか甘楽さんの・・臨也さんのネカマっぷりは本人を知った今ひどくうさんくさくて気持ち悪い。
紀田くんが「臨也さんは吐き気がする」って言ってたけどその気持ちがだんだんとわかってきた(たぶん紀田くんが言ってる意味とはちょっと違うだろうけど)
さてと、と立ち上がって寝る為の準備を始める。
凝り固まってたせいで腰がパキッと音を立てた(年寄りみたいでやだなぁ)
お風呂はもう入ってたので、チャットしながら飲んでたお茶を片付けて歯を磨くだけ。
台所のフローリングに素足が冷たい。冷え切る前に洗ってしまってとっととベッドにもぐりこもう。
と、スポンジを手に取ったところでピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。
(え、うそ、いま深夜ですけど?)
まさか新聞の勧誘なんてありえない。
近くで火事とか事故だろうか?(にしては静かだ。何の音も聞こえない)
もしかして聞き間違い?
なんて固まってたら、焦れたように2、3度立て続けに
ぴんぽーん
ぴんぽー・・・ん
(え、ホラー!?)
恐る恐るスポンジを置いて玄関へ近づく。
へっぴり腰になるのを自覚しながらも(だって怖すぎる)外へ足音が漏れないように忍び寄る。
もともとパソコンの電気しか付いてないんだ。
外から僕が起きてるかどうかなんてわかりっこない。
だからこのままスコープを覗いて、誰もいなかったり(それはそれで怖いけど)、怖そうな人が立ってたりしたら、スルーして寝てしまおう。うんそうしよう。
抜き足差し足で忍び寄った玄関。
片目をスコープにくっつけるようにして外を見やると・・
「い、臨也さん!?」
なんでここにいるの!?
寒空の下、薄い玄関の扉の向こうでヒラヒラと手を振って笑ってる。
慌ててドアを開ければ冷たい風が吹き込んできた。
瞬間的に冷えた体を震わせると、ポケットに突っ込んでいたからなのか温かみのある(イメージとは違うけど)臨也さんの手が僕の両頬を包み込んできた。
「やぁこんばんは」
「え?あ、はい、こんばんは・・ってなんでここに・・・?」
「まぁまぁいいからいいから。じゃ、入ろっか」
「は!?えぇ!!?」
戸惑っている間に、ぐぐっと体を押されて半ば突き飛ばされるように部屋の中へ逆戻り(ちょっと肩痛い)
いつもの感情が読めない笑顔を浮かべて(笑顔なのに楽しさのかけらもない)押し入ってきた臨也さんは、僕に了承もとらず靴を脱いでスタスタと部屋に入り込むと、遠慮なくベッドに腰掛けた。
「何の用ですかこんな夜中に・・・」
こんなことならドアなんて絶対に開けるんじゃなかった。
僕の後悔に気付いているのかいないのか(気付いててもきっとどうせ笑うだけだけど)何が楽しいのかまたにっこりと笑った。
「さっき書いたでしょ。そこに」
「書いた・・・?あぁチャットですか?」
「そうそう!あ、そうか帝人君ったらひどいなぁ。俺の最後のメッセージ見る前に退出しちゃったでしょ」
「そうなんですか?それは・・・すみません」
机の上にあったパソコンの画面を見てケラケラと臨也さんは笑う(ほんとによく笑う人だな)
でも僕が落ちるのと同時に甘楽さん(臨也さんだけど)が書きこんだなら、確かに僕は見てないし無視したことになっちゃう。
ちょっとだけ悪いことしたな、って気分になりつつも・・・
「・・・でもそれってここに臨也さんがいることと何か関係あるんですか?」
「大有りだよ!帝人君はほんっと冷たいよねー。でも好き!」
「・・・・・・」
(勝手に言ってろ)
とっさに口をつきそうになった言葉を飲み込んでメッセージを確認しようとパソコンに近づけば、ぐいっと腕をつかまれて引っ張られた。
「ちょっと臨也さん!?」
引っ張られた体はあっさりと臨也さんに抱きこまれて(うわぁ)膝の上に座らされる。
首をひねるようにして見上げた顔はやっぱりどこまでもニヤニヤ笑ってた(きもちわる)
「なんて書いたか知りたい?」
「いえ別に・・・」
「知りたい?」
「いやだから」
「し・り・た・い?」
「・・・・・・知りたいです」
あははーそうだよねぇ俺のこと知りたいよねぇ帝人君ったら可愛いんだから好きな人のことを知りたいなんて高校生らしくて君らしくて可愛くて大好きだよ、なんてワンブレスでだらだらとしゃべり始めてしまった。
頭の上の方でそんな頭が腐ったような話をされると(話っていうか独り言だけど)こっちまでおかしくなりそうで(ほんとにもうこの人めんどくさい)
「『いま、あいにいきます』って書いたんだよ」
「は?」
「だーかーらー、いま、あいにいきますって書いたの!」
作品名:今(君に)愛に生きます! 作家名:ジグ