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空の境界~未来への軌跡~3

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そうだ。今大輔を助けに行けば、色々面倒がおきかねない。ただでさえ「教会」のエージェントと接触してしまっている。しばらくは慎重に行動するべきだ。

「生憎、今の棟子さんに拒否権はないと思いますよ。」
「ホ~お前が、私に脅しを掛けるのか。」
「正直、そこまでしたくはありませんが、僕の「未払い分の給料」の支払いが滞っていますから、「その分の支払い」を請求いたします。」

棟子は笑った。「教会」なり「協会」に居場所を教えれば今の自分ではまともに立ち回れないのに、そんなことより「未払い分の給料」ときた。これは、笑うしかなかった。

「解った。取敢えず入院中の病院を教えろ。」

場合によっては殺すかもしれんが、大輔の容体も気にはなっていた。


~戦争と平和~


「フム。下手をしたら、こいつより甘ちゃんだな。あの黒桐という男は。」
「「アーチャー」いつまで、士郎の身体を使っているのですか?」

二人は病院の屋上で凛の仕事が終わるのを待っていた。
セイバーの武器「見えない剣」で喉元を掠めていた。

「最低でも、こいつが甘えた「幻想」を壊すまでといったら?」

躊躇無く剣を動かしてきた。咄嗟に交さなければ死んでいたであろう。そして間合いをとった。

「いくらアナタと士郎が、同一人物でも聞き捨てなりませんよ。」
「冗談だ。こいつに伝えるべき事を伝えたら消えるつもりだ。」
「それでは、とっと伝えて「英霊の席」に戻ってください。」

見えない剣での斬激が頬を掠めた。

「この結果は、気に成るのでな。結果が出るまで待て。」

セイバーは剣を構える姿勢をとった。

「ハッタリだとバレバレだぞ。第一殺気を帯びてないのでは話にならん。」
「くっ」

いくら剣術を駆使しても士郎と一体化している「アーチャー」だけを斬る事はできなかった。

「こいつもそうだが、「正義」イコール「正しい事」にはならん。場合によっては、「悪事」イコール「正義」に成る事が有るのに、「正しい事」に拘ってしまう。」
「詭弁を」

それでも切掛ってきた。下手に口で言っても、どうせ聞かないと思い応戦するしかなかった。
「干将・莫耶」で交わした。

「では聞くが「戦争」と言う「悪事」は本当に「正義ではない。」と思っているのか?」
「そうだ。」

素早い斬撃を受け止めた。

「しかし、国民は強い国家を誇り王が「正義」と思ったのではないか?それに散った兵士達や、その巻き添えになった民草達のしは、正義の代償ではなかったのか?」
「それは、国民が「私」の「愚かさ」を知らなかっただけのこと。」

受け止めた剣を弾き反撃した。

「「愚か」では無い「人間」などまれだ。もっとも、そうなるまで「とてつもない愚行」を犯している場合すらある。なのに貴様は、人間であった頃から「聖人君子」じゃなかったとほざく。」
「そうだ。」

そして、連撃が続いた。それを交わしながら話を続けた。

「つくづく馬鹿としか言いようが無い。」

強烈な一撃が振り下ろされたが、大降りで軌道が読めた。交すと攻守が変わり今度は「アーチャー」が連劇を放ってきた。

「この現世で、「戦争」が行われない日はまったく無い。「国」を背負う者なら尚更「戦争」で「国土を広げ、民を裕福にする。」など、当然の選択肢の一つではないか?それすら間違いと思う事こそ、「傲慢」ではないか。」
「なに」

斬撃はまだ続いた。

「そして、その戦争で裕福に成った国民達はどうだ。お前は「戦争と言う名の悪事」を行い国民に平和と繁栄を与えた。正に「正義」ではないか?」
「く」

「セイバー」は斬激をかわしながら一歩一歩下がっていった。

「それに、「戦争」は一人の考えで動くものだと思うか?それこそ馬鹿の考えだ。」

剣に迷いの色が出てきた。

「もし、本当の負け戦なら「円卓の騎士」だって是が非でも止めいただろうし、お前は力量を内外に示すため「一騎打ち」を行いが被害の最小限化する結果に成っていたではないか。」

「私はただ…」

そして「セイバー」剣が上段に跳ね上がると今度は「アーチャー」の剣が咽元を掠めた。

「胸を張っていい。お前は立派な「王」だ。お前でなければ、当時の繁栄はなかっただろう。」
「何をしているのかしら?」

凛が入ってきた。最悪の事態を避けるために病院中に結界を張っていたのだ。その為魔力をほとんど使ってしまったのだろう。立って歩くのがやっとの状態だった。

「いやお堅い「セイバー」をからかっていたのだ。」
「な。」

「セイバー」は真っ赤になった。

「そんは良いんだけど、とっとと配置につくから来なさい。」

凛はふらつきながら、屋上を出た。

「興が削がれましたね。」
「だが、「お前は立派な「王」」であったと考えているのは、甘ちゃんの方も同じだと言うことを覚えておけ。」
「そんな事知っています。」

でなければ、自分が士郎を見捨てていたであろうし、そんな人を「マスター」と呼ぶ気はなかっただろう。

「だが、甘ちゃんのほうは口には出さないが「お前が、「王」として、「サーバント」として自分の前に立たなくても、恋したかもしれない。」などと思っているのは解るまい。」
「な、」

仕舞いかけていた剣を抜き構えてしまった。

「貴様は意外と凛と負けず劣らずの「ツンデレ」だな。」

そういって「アーチャー」は凛を追い病院内に入っていった。
振り上げた拳の下ろし場所を無くし赤面した「セイバー」は、しばしその場から動く事が出来なかった。

その日の深夜ちょうどに、蒼崎棟子はやってきた。
案の定、幹也に教えられた病室の階を中心に対魔法の結界が張り巡らされていた。罠の可能性もあるが、逆にそこに大輔がいる可能性も出てきた。それに幹也の言葉には嘘がなかったのは、いくら魔力残り少なかったとはいえ目を見れば大抵わかるというものだ。

「さて、鬼が出るか蛇がでるか、行ってみるか。」

そして、病院の中に入っていった。