PUPPY LOVE
「どう?ヘアメイクもバッチリでしょ?モノが良いからやりがいあったわァ~」
「ねぇ、もう着替えてもいいだろ」
「ダーメ、まだ写真撮ってねーもん。おいレヴィ、とりあえず写メってー」
「とりあえずとは何事だ!そんなことより一体どうしてこんなことになったのか説明しろ!」
「うるさーい、後で教えてやっから写メ写メ」
携帯電話をレヴィに押しつけて、ベルはマーモンの肩を引き寄せた。
「写真撮ったらセンパイとボスにも見てもらおうぜ」
「…あの二人は絶対変な顔すると思うよ っていうか、僕いつまでこのカッコでいなきゃいけないの!?もういいよね!?」
「ダーメ、今日はずっとカッコな」
そうして一度、小さなレンズに向かってピースサインを出しかけて、あ、と何気付いたのか声を漏らした。
「なんだ」
レヴィの問いかけを無視して、ベルは自分の髪に挿しているティアラを抜くと、マーモンの髪に挿してやった。
「やっぱティアラがなきゃ。王女なんだし」
と、ベルはいつものようにししし、と笑った。
「……ねぇベル」
「なんだよ」
「……ホントに、似合う?」
レヴィが向ける携帯電話の方を見たまま、マーモンが呟いた。その肩を抱き、頬を寄せると思いっきり正面に向かってピースサインを突き出しながらベルが答える。
「あったりまえじゃん!」
「そう」
マーモンもそれに合わせるようにピースを突き出した。
「なら、いい」
2009.04.08 SC/O0
作品名:PUPPY LOVE 作家名:gen