【ガンダム00】マイスター
「ティエリア、まだ気にしてるのか?」
突然の背後からの言葉に不意をつかれ、キーを叩いていた手が止まってしまう。けれど気にせず再びモニターに集中すると、次は苦笑が聞こえてきた。
「俺を恨んでるのか?」
「あなたの判断に間違いはない」
最後にエンターキーを強く叩き、ティエリアは顔を上げた。整備室ではヴァーチェの修繕作業が行われている。見た目以上に損傷は深いのか、3日経った今でも終わる兆しは見えなかった。
いくら優れた機体でも必ず欠点はある。そこを上手く補っていくのがパイロットの役目だ。ティエリアもヴァーチェにつては利点欠点含め、全て熟知しているつもりだった。しかしその自尊心はある日あっけなく崩された。
「ヴァーチェ、目標を捕捉」
地球へと向かうユニオンの輸送艦を認め、ヴァーチェはGNバズーカを構えた。背後ではエクシア、デュナメス、キュリオスが各モビルスーツと交戦している。
王留美から情報を得たのは3日前だった。――極秘で開発された新鋭モビルスーツが、地球へ100体運び込まれる。
報告を受けたスメラギは、ヴェーダを駆使し、遂行時間と場所を打ち出した。ユニオン側もCBの介入行動は予測していたのだろう。何機ものモビルスーツが艦を守るように配備された。けれどスメラギの戦術予報も負けてはいない。事前にリサーチしたデブリの死角に身を潜め、エクシア含む3機をおとりとし、ヴァーチェは討つ機会を窺っていた。チャンスは一度きり。そしてその時が訪れたのだ。
十分なGN粒子を火器に集め、ティエリアは目標を定めた。
その時だった。背後から猛スピードで一体のフラッグが近づいてきたのは。
素早く反応した。けれど相手は上回る速さだった。
――ザクッ!
機体に衝撃が走る。ティエリアはビームサーベルを取り出し相手を威嚇した。が、諸共せず、フラッグは左肩に設置してあるGNキャノン装置を引き剥がし始めた。
ギギギッと耳障りな音が機体に響く。
「――クッ!」
ティエリアは無理な体勢のまま強引にGNキャノンを放出した。フラッグの両腕が彼方へ弾き飛ぶ。これ以上の戦闘は不可能と読んだのか、現れた時同様フラッグは猛スピードで撤退していった。けれどティエリアは許さなかった。フラッグを討ち取ろうと追いかけようとした。
「追うなティエリア!」
制したのはロックオンの声だった。
「持ち場へ戻れ!」
突然の背後からの言葉に不意をつかれ、キーを叩いていた手が止まってしまう。けれど気にせず再びモニターに集中すると、次は苦笑が聞こえてきた。
「俺を恨んでるのか?」
「あなたの判断に間違いはない」
最後にエンターキーを強く叩き、ティエリアは顔を上げた。整備室ではヴァーチェの修繕作業が行われている。見た目以上に損傷は深いのか、3日経った今でも終わる兆しは見えなかった。
いくら優れた機体でも必ず欠点はある。そこを上手く補っていくのがパイロットの役目だ。ティエリアもヴァーチェにつては利点欠点含め、全て熟知しているつもりだった。しかしその自尊心はある日あっけなく崩された。
「ヴァーチェ、目標を捕捉」
地球へと向かうユニオンの輸送艦を認め、ヴァーチェはGNバズーカを構えた。背後ではエクシア、デュナメス、キュリオスが各モビルスーツと交戦している。
王留美から情報を得たのは3日前だった。――極秘で開発された新鋭モビルスーツが、地球へ100体運び込まれる。
報告を受けたスメラギは、ヴェーダを駆使し、遂行時間と場所を打ち出した。ユニオン側もCBの介入行動は予測していたのだろう。何機ものモビルスーツが艦を守るように配備された。けれどスメラギの戦術予報も負けてはいない。事前にリサーチしたデブリの死角に身を潜め、エクシア含む3機をおとりとし、ヴァーチェは討つ機会を窺っていた。チャンスは一度きり。そしてその時が訪れたのだ。
十分なGN粒子を火器に集め、ティエリアは目標を定めた。
その時だった。背後から猛スピードで一体のフラッグが近づいてきたのは。
素早く反応した。けれど相手は上回る速さだった。
――ザクッ!
機体に衝撃が走る。ティエリアはビームサーベルを取り出し相手を威嚇した。が、諸共せず、フラッグは左肩に設置してあるGNキャノン装置を引き剥がし始めた。
ギギギッと耳障りな音が機体に響く。
「――クッ!」
ティエリアは無理な体勢のまま強引にGNキャノンを放出した。フラッグの両腕が彼方へ弾き飛ぶ。これ以上の戦闘は不可能と読んだのか、現れた時同様フラッグは猛スピードで撤退していった。けれどティエリアは許さなかった。フラッグを討ち取ろうと追いかけようとした。
「追うなティエリア!」
制したのはロックオンの声だった。
「持ち場へ戻れ!」
作品名:【ガンダム00】マイスター 作家名:吉沢ミツグ