藤巻だ、坊主。
「突然だけども、あなたには入隊してもらうわ。」
そんな言葉をつがれたのは、起きてからほんの2秒程度
「あなた、もう死んだのよ
記憶は残ってるかしら?記憶が途切れていたら、死んだ証拠よ
この世界ではもう死なないの・・・あえて言うなら成仏ならできるわね
順応性を高めなさい、あるがままを受け止めるの」
「もうそれ固定台紙なんだな」
「なんのことかしら?」
女の顔を見る
目に、迷いはない
強い光がやどっていた
俺は確信する、こいつらはまぎれもなくおれと同じ 人間 だと
疑いと探りを入れた顔で重く口をつぐむ
「・・・その戦線ってのはなんだ?なにと闘ってんだよ」
「あら、話がわかるじゃない。どこかの誰かと違って」
俺に付き添っていた青髪の男が苦笑する
「天使・・・しいて言うなら神、ね」
「バカだろお前、神なんているはずねぇだろ・・・信じた俺がバカだった
お前たちもあいつらと同じなんだろ!この変な建物から出せよ!!」
低血圧の体が一気に熱くなる
神だ?なんだ?そんなのはねぇ、俺の人生は報われなかった
いるとしたら人生の道をつくる悪魔しかいない
そんな考えを読み取ったかのように女が口を開いた
「その最悪な道を作ったのも、また神よ
神はけしていいものじゃない、神は悪魔にもなりうる」
「・・・」
「この世界からは逃げられない、外は森、いくら歩いても道には出ないわ
神は私たちをなんらかの意味をもたらして、この世界に送り込んだの」
「なんのために」
「私はこう考えるわ」
女は一瞬目を閉じたあと、その光る目を輝かし言葉を告げる
「この世界を手に入れさせるため」
「やっぱバカだろ」
そう思ったが、口にはださずその続きを聞くことにした
「ここでは、そんなに重症な傷を負っても絶対に死なない」
「確証は?」
「その青頭が生きてることね、屋上から何回も突き落としても見ての通りピンピンしているわ」
青髪の男を見る
相変わらずの苦笑
屋上から落とされたというのにどこも怪我をおっていない
だが、そんな話が信じられるのか?
「そして、それに伴なって歳もとらないの。そしてこの世界で死ぬという意味はね・・・成仏よ。その条件は学園生活を楽しむこと。」
「・・・・は?」
「霊と同じよ、未練があると魂がのこるでしょ?その未練が「学校生活をまっとうできなかった」だと、ここへくる仕組みになっていると私は考えるわ。」
その、「学園生活をまっとうできなかった」の言葉を女が発したとたん、校長室の空間が重くなったきがした。その他のメンバー達が少しくらい顔を見せたからである。
「ここまで来ればわかるでしょう?
一生死なない、成仏はある発生条件で行われる。」
ドクン
わかってしまった
こいつらがここにいる意味が
その意味を、女は小さい笑みを交えながらこう言った
「神に反し続ければ、この世界の主導権を握れる」