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ヤンデレシズちゃんと、臨也さん

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臨也の身体を思うがままに蹂躙しながら、静雄はとめどなく涙を零し続ける整った顔を見下ろしていた。

ぐちゅり、と卑猥な水音が結合部から零れ落ちる。その音も、焦がれた身体も、全てが静雄を煽り続けるというのに――この顔だけは、熱に浮かされる頭にひやりと突き刺さる。

臨也はもう、口答えも抵抗もしなかった。ただただ大人しく、揺すられ、喘ぎ、そして涙を零す。
縛り上げて、殴りつけ、無理やり犯しているのだ。確かに常人ならば、泣きじゃくってもいいだろう。けれど、相手は折原臨也だ。

静雄が、愛しても壊れないだろうと、愛す事を許した唯一の人間。
その彼が、こんな簡単に壊れるのだろうかと、静雄は突き立てた熱でやや乱暴に臨也のナカを抉った。

「…うっ…ぁ、はっ……」

浅ましい身体は、暴力的な愛撫にも応えると言うのに。
あくまでそれは身体だけで、臨也の心が常と殆ど変らない事に、静雄はもう気が付いていた。

艶やかな黒髪を無造作に掴み、快楽に歪みながらもどこまでも正気の瞳を己に近付ける。
少しだけ驚きを浮かべた臨也は、現在己の身に降りかかっている事など感じさせない顔で、穏やかに笑ってみせた。

「―――しずちゃん」

「……ああ」

そう呼ばれるのは、どれくらいぶりか。
静雄は――そして、臨也さえもう分からなかった。


「ねぇ、なんで…泣くの?」


それはお前だろう、と静雄が言おうとした時
彼はようやく気が付いた。


臨也の頬を濡らすのは、己が零した涙だと。



臨也は、泣いてなどいなかった。
臨也は、壊れてなどいなかった。

泣いているのは、壊れているのは――



結論を出す事はしないまま、静雄は目前の顔に噛みつくように口付けた。

刹那、満たされるように心が安らぐ。


同時に、臨也の手が背に回らない事に無性に腹が立ち、静雄は静かに、拳を握りしめた。










愛に気付かず、愛を乞う
(縛り付けたのは、他でもない自分なのに)






end