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黒鳥 キョウ
黒鳥 キョウ
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黒猫のワルツ

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――黒猫のワルツ


黒猫の目覚め






僕が生まれたのは、人間の時代が明治に移り変わる74年前くらいだ。
曖昧なのは、猫に年数は分からないから。
・・・まあ、今は分かるんだけど。それは、おいおい。

僕はそこそこ大きな家の飼い猫だった。
そこの家の家長に当たる老夫婦が、僕をたいそう可愛がってくれてたいた。
おかげで、喰うに困らず、寝床も雨風とはまったくの無縁だった。
見かければ鼠を追い払ったり、時に獲ったりして、まあ、そこそこ家にも貢献した。
何不自由なく、僕は並みの猫より恵まれた幸せな生活をおくっていた。

しかし、老夫婦は夫が先に逝き、妻も後を追うように死んでしまった。
老衰だった。

そこから自体は一変する。
次に家督になった夫婦も、そこそこ僕を大切にしてくれていた。
でも、僕は長寿だった。
長寿過ぎた。

当事なんて、猫は7、8年も生きれば十分長生きなのに、僕は10年以上生きて尚、若々しかった。
僕的には何の疑いも無かったが、人間は違うらしい。
徐々に気味悪がり、疎むようになった。
そうしてある日、至極一方的に別れを告げられる。
何のことは無い、捨てられたのだ。
今の今まで、飼い猫だった奴が捨てられたら、普通1月も持たず死んでしまうのだろうが、僕は図太かった。
順応力なんて、10年以上も生きれば当然つくし、僕は長く生きた分賢かった。
といっても、周りの猫のように、無駄な体力や労力を費やさないようにする術を知っていただけで、たいそうな事ではないが。

それでも、時は流れ明治。
文明開化と時代が移って、更に時が流れた頃には、流石に老いた。
毛並みに白と灰色が混じり、艶をなくしていった。
牙と爪は幸いな事に健在だったが、足腰は弱まり体力も随分落ちた。
何より、目と耳が悪くなった。

流石に悟った。
これは、もう直ぐ死ぬんだな、と。
力が抜けて、僕はそっと寝そべる。
ああ、随分と生きたものだ。
これだけ生きれば、あの老夫婦も草葉の陰から喜んでくれているに違いない。
もう直ぐ、そこへ行くのだと思えば、死も怖くない。
そうして、意識が落ちた。

しかし、驚いた事に、僕は目覚めたのだ。
目覚めて驚いたのは、目が覚めたという事実だったが、それだけではない。

今までと違う自分を認識した。

起き上がって驚いたのは、身体が軽い事だ。
直ぐ脇の塀にも飛び乗れると、実践したら出来た。
身体が軽いだけではなく、足腰も若いときと同じ・・・いいや、それ以上。
生きてきて中で、一番からだが軽く、力に満ちていると思った。
次に驚いたのは、毛並みが漆黒一色で艶やかな光沢を取り戻している事。
更には、目と耳は若かりし頃のように見る事と聞く事を可能にした。
いや、やっぱり、今までの中で一番よく見え、聞こえている気がする。
劇的な変化だった。

しかし、一番の変化は、尻尾が2本あること。

その日、初めて僕は数を数えた。
猫は数は分からない。
量の多い少ないは認識できるが、数字を使った数量の測り方は出来ない。
人間じゃないから。
そもそも、猫には必要ない。
しかし、僕は今、数を認識し、数量を数えたのだ。
いや、数を数えるのなんて、大したことじゃない。
いまなら、もっと凄い事も出来そうだ。



この日、僕は2度目の生を受けた。




◆後書き◆
はい、しょっぱなから、飛ばしていきます。
いきなり妖怪パロものです。
やや手探りなので、スローペースでいきます。



作品名:黒猫のワルツ 作家名:黒鳥 キョウ