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恋が素敵だなんて誰が言ったんだ

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恋が素敵だなんて誰が言ったんだ



秘密の恋をしている。

腐れ縁の新羅に言わせりゃ恋ほど素敵なものはないそうだ。
そもそもあいつは口を開けばセルティの惚気ばかりで頭のネジが2,3本緩むどころか飛んでいっちまった奴だが、つまり恋っつーのはそんなもんなんだろう。
楽しくて嬉しくて言わずにはおれず相手への好意を止めることができない。

だが俺の恋は違う。
もっと衝動的で暴力的で暗くて深い二度と戻ることのできない地獄に通じちまいそうな、そんな入り口だ。
だからもうしない。
柔らかな淡い思いを、自分の力で相手さえも傷つけてから子供心に俺はそう強く誓った。
そう心に決めてどれほど時が経っただろう。
あの悔恨に満ちた誓約の文字が過去の物となり滲みぼやけてしまったのか、俺はいつの間にかまた恋をしていた。
いつの間にかというのは比喩ではない。
本当に気がつくと俺はたった一人を目で追うようになっていた。

それはごく普通の高校生だった。しかも男だ。

俺はこれが恋だなんて本当に思わなかった。気づかなかった。
何しろセルティや新羅、トムさんにもはっきり言ってあったが俺の好みは年上の女性なのだ。
年下の男なんて、余りにも正反対で思いもよらないし気づくのも遅すぎた。
自覚した頃にはすでに引き戻せない所まで堕ちていたのだ。